総二階建てにすることは、屋根と基礎の面積を減らし、また、壁の面積を減らし、コストダウンにつながります。
うちも予算が厳しいので、総二階建でコストを減らすことを検討していただきました。
部屋の要素はそのままで、立方体に近い形で総二階にする検討をしていただきました。
検討してみると、総二階建て、結構難しいように思います。
一つは、平面図で正方形に近い形にすると、南北の長さが長くなるので、南から入る風の風通しをよくすることが難しくなり、また、南側の庭を広くとることも困難になってきます。部屋を配置していくと、意外に廊下が必要になるところが出てくるので、面積を小さくしにくいです。
一応、総二階建て案を作っていただき、2枚並べて、「どっちにするか考えてみてくれ」とのことで、時間をいただきました。
ずいぶん悩みました。お金の節約も大事だと思いますから。
しかし、総二階のプランを選択すると、この土地を選んだ時に考えた、庭を比較的に広くとり、風通しの良い家にするというプライオリティに関してどうしても妥協した内容になってしまうように思い、総二階のプランはとらない考えを伝えました。
そうしたら、「もし総二階のプランを選択したら、設計を降りようと思っていた」とのこと。やはり、プランとして魅力が少ない(おじ曰く、「伸びしろの少ない」)ものは、設計もつまらないようです。
そういうわけで、8月中旬にもらったプランを基本に進めていくことにしました。
2nd round
8月中旬、2回目のプランをもらいました。
面積をかなり絞ったプランで、床面積は何と31.4坪まで小さくなりました。
これは、スペースの必要性を検討して無駄なスペースを合理化したことが大きいです。
前のプランと同等以上の使い勝手を達成して、床面積を小さくして費用を抑えます。
玄関が西に面していて、その前面に倉庫があるのは変わりませんが、玄関が少し南よりになりました。
玄関を入ったらそこはリビング・ダイニングです。家の南半分が全部リビングダイニングになっています。
ただ、広大なLDではなくて、面積は13.4畳程度です。
家の北半分には、玄関に近い方(西)から、6畳和室、キッチン、階段と続いており、LDとこれらの部屋の上側に2Fが乗っています。リビングの上にはやはり吹き抜けになっています。
キッチンはクローズドのキッチンになりました。妻はオープンなキッチンがいいと言っていましたが。。。片づけされていなくても、気にならないという意味では、クローズドが一番。匂いがLDに広がっていくこともありません。ただ、キッチンで作業中に庭が見にくいという意味では悩ましいところです。
キッチンの北側には勝手口があり、ゴミ捨てが便利です。
水回りが必要です。水回りは、1Fの2Fが上に載っていないところに、集約されており、階段の隣に、トイレ、浴室とあり、その南側が3畳の脱衣室兼、洗濯室兼、洗面室です。浴室は東に面しているので、朝日が入ってきます。また、洗濯室兼洗面室は、東南の角ですので、朝あさひのなか洗面ができ気持ちよさそうです。さらに、洗濯室兼洗面室の南側、ダイニングの東側に「ウッドデッキ」が作られており、洗濯室の南側には庇がついています。ここには、ダイニング、洗濯室どちらからも掃出し窓で出られるようになっています。
これって、とても便利で気持ち良いスペースになっています。
1.洗面所からウッドデッキを介して南の庭が眺められて気持ちよい!
2.洗濯室ともの干場(ウッドデッキの庇があるスペース)が隣接していて、すぐに出られるので洗濯動線が極小!
3.もちろん、南に洗濯室が面しているので、洗濯室内に干しても、よく乾く!
4.ダイニングの横がウッドデッキで、掃出し窓でつながっているので、机をウッドデッキに出して、オープンカフェのような感じで庭を眺めながらお茶(ビール?)を飲んでもいいのでは?
これかなり気に入りました。
2Fは階段を上がったところが多目的室(北側)で、東南の角が子供室(4.5畳)、西南の角が寝室(6畳)、寝室の北側がWIC(2.5畳)。階段の横には2Fトイレを付けています。
ここのコンセプトは前のプランとほぼ同じですが、天文観測室がなくなったことと、多目的室の面積が抑えられています。また、子供部屋が東南の一等地に移動しました。
このプランはなかなかすぐれていると思ったのですが、費用をさらに抑えるために、「総二階建て」のプランも検討するとのことでした。今のプランは、水回りが北東の角に半島状に突き出して出ているので、「総二階建て」ではありません。
天文観測室やめる
プランをいただいた後、おじから電話をいただく。
天体観測室を当初計画から外してはどうか?
ということでした。
その理由として大きいのは、資金計画。天体観測室はスライディングルーフが80万程度でありますが、
工事の手間賃その他を考えると非常に負担が大きいものです。今の私なら、この負担が非常に重いものであることを理解できますが、当時はそうでもなかったと思います。
やはり、趣味のスペースで全体計画を圧迫してしまうのはよくない。現金一括払いで建てるわけではない我々一家を心配してのことでした。
技術上にも問題がないわけではありません。
まず、水じまいの問題があります。生活の場である家で漏水があっては大変。また、屋根勾配の途中に煙突状に観測室が突き出ることになるので、そこに流れてきた水を処理することはできるが、長年の経年変化のなかで、雨もりしないで維持することに問題がないわけではありません。
もう一つ、問題は振動です。遠い星を望遠鏡で拡大してみますので、望遠鏡が振動していてはまともな星の姿を見ることができません。振動対策は、他に天体観測室を作られている方も苦労して作られているようで、地面から望遠鏡を乗せるコンクリートの台を立ち上げ、建物とつながらないようにして対策したり、2重床としたりして建物の振動が望遠鏡の架台に伝わらないように対策をしたりしています。
こちらは、木造で考えているので、振動を防ぐことは大変難しいです。
このようなことから、「天体観測室」を建物の計画から外して独立させることをアドバイスされました。
そして、悩んだ末、このアドバイスを受け入れることにしました。
それは、資金面の不安もありますが、独立させることにして、資金面のフレキシビリティをあげるとともに、まず、最初は観測室を作らずに庭で天体観測をすることによって、振動問題をお金を使わずになくすことができますし、水じまいの問題を心配しなくてもすみますし、将来の観測室の場所も自由度が高まることになります(庭などの余裕敷地はそれなりにはあるので、ゆっくりと視界などの検討を入れてよい位置に設置ができる)また、段階を設定することで、これは、将来の楽しみも増えるという意味では、趣味にとってはその方が良いように思いました。観測室の構造も、木造からコンクリまで何でもアリになりますしね。
そういうわけで、観測室は外していただき、プランを考えていただくことになりました。
1st round
7/27 おじから最初の設計プランをいただく。
敷地の南西側に2台分の駐車場をとり、玄関は西側を向いています。
玄関を入ったらホールがあり、向かって左側の階段を上がって2Fに。
ホールの突き当りが、LDKですが、その手前左(北)側はトイレ。右側は和室6畳です。
LDKは奥がダイニングで東側の庭に面している。
LD合わせて14畳ちょっとです。
リビングとダイニングはどちらも南の庭に面している。
キッチンは東北の角にとっていて今住んでいるところと似た感じ。
ダイニングとつながった4.6畳のオープンスタイルのキッチンです。
キッチンの隣、リビングの北側に3畳の洗濯室、その西側に2畳の洗面室、そのさらに西側に浴室1坪。
水回りが北側に集約されています。洗濯室には勝手口がついていて、
洗濯物干しをする時などに出る?ことができるようにはなっています。
2Fに行くと、階段上がったところに梯子があり、そこを上がると天体観測室に上がれるようになって
います。天体観測室が3Fとみなされないために、実は玄関の吹き抜けの上に天体観測室が乗った構造
となっています。
階段上がったところは10.4畳の多目的室。奥の東側に面したところは寝室7.3畳+WIC3.3畳
多目的室の南側は、西南側は子供室4.6畳、寝室と子供室の間のところは5.3畳分の吹き抜けになっています。この吹き抜けはちょうどリビングの上にあたっていて、これによって2Fの多目的室と1Fのリビングがつながっていることになります。
もう一つ、プランの要素として大きいのが、「倉庫」があることです。11畳の倉庫が玄関の前の西側の敷地境界のところにあり、そこはガレージとして、工作室として、また、道具を置いたりするところとして使えるのですが、もう一つの隠れた目的があります。
それは、塀としてということです。
玄関が直接道路に面していると、何となく雰囲気がありません。
倉庫が道路と玄関の間に入って、動線を曲げることによってアプローチをつくるということを狙っています。また、倉庫の壁はそのまま塀として使うことになるので、外構をするところを減らせます。
農家って敷地の端の入口のところが納屋になっている家がありますが、規模はとても小さいですが、そんな感じです。
これ、なかなかよさそうです。
この案は、まだ検討途中でまたいろいろ変わるとのこと。
まず、床面積が37坪程度もあるのは、大きすぎて予算に収まらないため、もっと小さな家にするとのこと。
素人目に見れば、これでいいんじゃないかと思いましたが、まだまだで、もう少ししたら一度打ち合わせをしようということになりました。
建築家のアドバイス
すでに数か月前の話を今記憶をたどって書いているので、時系列的に間違った記述になっているかもしれませんが、なるべく正しい順序でかいていこうと思います。
設計をやっているおじにプランのアドバイスをもらうと、基本計画を立ててくれることになりましたが、おじからプランを出してもらうまえにいくつか重要なアドバイスをもらいました。
まず、私の計画は要素をてんこ盛りに積み上げているなどのため、予算に見合わず、おそらく、建物が立たないであろうこと。
私の考えていた予算の「倍」はかかる。と言われショックでした。
また、なぜこのようなことになるのか、それは根本的な考え方がちぐはぐだからだとアドバイス。
建物は、フレキシブルであるべきであること。住まいに住む人の一生のなかで、その人が同じ生活であり続けることがないのと同じに、建物は、その変化する生活にフレキシブルに対応できる必要があること。
今の生活だけを考えてつくってしまうと、その変化に対応できないので、時間軸を織り込んで考える必要があること。
新築時にいろいろなことを欲張りに盛り込みすぎだが、時間軸の中で達成することを考えるべき。人生は続くのだから。また、家の維持には多額の費用がかかる。無駄な要素を排して、フレキシブルなものにすることを第一に考えるべきなのは、経済面からもいえること。
建物がフレキシブルであることだけでなく、そこに住まう人もフレキシブルであるべきこと。
だいたいこんなニュアンスのアドバイスをもらったように思います。
そのうえで具体的なアドバイスとしては、
・無駄な大きさの部屋を作らず、小さな家にすること。
・2F水回りはコストに影響がある。
・高齢化したときのことを考えると、1Fのみで生活が行えるようにするべき => 1F和室の適切な確保。水回り等を1Fに置くこと。
・部屋を小分けにせず、不必要な部屋を作らないこと。
・キッチンはクローズドがよい。台所というのは本来危険で、汚いところ。
・通風は、南-北や東-南のようなペアの通風路がないと通らない。また、通風距離が長いと風が通らない。
・収納はあればあるだけ物をため込むことにも注意が必要。坪60万としてその費用に見合った価値のあるものを入れているのか?
・メンテナンスコストとイニシャルコストをバランスよく考えること。
そのようなことを踏まえつつ、おじにプランをもらうことになりました。