太陽熱温水器の製作、結構のんびりやっています。5月から、ここ1か月程度仕事が忙しかったので殆ど放置。アルミ板を曲げたり、なまし銅管を曲げたりして、そのまま倉庫で放置状態でした。
このまま夏が過ぎて冬が来るまで実用に持っていかないというのもなんなので、不良資産化しないよう、製作を少しでも進めることにしました。
放置状態になっていたのは、製作の難しいポイントだからってのもあります。半端に製作すると、失敗につながるので、ここからは段取りをしっかりやっていく必要がありそうなので。
製作再開で、まず、曲げた銅管にフィッティング(G1/2)をはんだ付けで取り付けます。
まだへたくそですが、トーチを使ったはんだ付け、少しは慣れました。
フィッティングをつけたので、配管のリークテストを水道をつないでやってみました。
手持ちの道具で水道ホースをつなぎました。一応合格。
アルミ板と銅管を組み合わせて、集熱パネルにコーススレッドで留めつけていきました。
ここ結構難しくって、まず、アルミ板と銅管を組み合わせたユニットをつくり、それの全体を集熱パネルの合板に留めました。
隅々までアルミ板を切り張りして、銅パイプに熱的に結合できるよう、少し重ね合わせつつ貼り付けました。天気が良かったので、作業が過酷です。なにせ、アルミ板で反射した太陽の光を受けると、マジで熱いです。焼けちゃいます。
今回全体の作業を終わらせるには時間が足りないと思いましたので、半分だけ作ることにして、アルミ板を貼り付けたところ。
アルミ板をそのままにしていると、反射光でまぶしくてたまらないので、すかさずつや消し黒(油性)を塗ります。これで集熱、アツアツパネルになります。もう、日光が当たっていると熱くて触れません。
パネルの温度を測ろうと思ったのだけど、温度計が見つからない・・・とりあえず、触れないぐらい熱くはなっていることを手で「触って」確認しました。
雨が明日以降また降ると思われるので、またポリカ波板とガルバの水切りをかぶせて雨じまいしておきます。残り半分をやるときは、雨が降らなさそうな日(でも曇りがいいな・・・)を見つけて、この波板とガルバをまた外して残りをやります。
基本的に週末しか作業ができないのと、雨だと作業ができませんので、この梅雨の中作業が進むかはわかりませんが次回には、集熱部分を完成させて、集熱の循環をさせてみたいです。
集熱板をつくる(3)
やや最近壁にぶち当たり気味で進捗していませんが、記録を。
連休中に集熱板の枠などは作りましたが並行して、温水タンクと集熱板の間の配管をしました。
家にあらかじめ貫通孔を塩ビでつけていただきましたので、そこに保温つき架橋ポリ管2本とVVF2.0とLANケーブルを各1本通しました。
架橋ポリ管は、温水の循環用。VVF2.0はとりあえずはいらないのですが、家の南側に100Vを持ってこれたら便利かなと思いましたので、ついでに配線をしておきます。LANケーブルの方は、LANに使うのではなくて、集熱板の温度測定をするのに配線が必要なので、LANケーブルを使ってサーミスターの配線をすることにしました。
配管を通したところですが、このあと、エアコンパテで穴をふさぎ、上からテープを巻きました。
集熱板の肝心の熱を受けるところを作り始めますが、まず、銅管を曲げるための治具を作りました。
こんな感じで、銅管が蛇のように蛇行して、熱くなったアルミ板の熱を回収して温水タンクまで輸送します。1×4の板で治具は作りました。
銅管を曲げているところ。
また、アルミ板は0.5mm厚のものを使いますが、銅管と熱的に結合する必要があるので、溝をアルミ板を曲げて作ります。
そのための治具も作りました。
アルミ板を治具に置いて、その上から13mmの鉄棒を押し込んで溝を作っていきます。
0.5mmのアルミ板は曲がりにくくて往生しました。
米国の例を見るといともたやすくやっているようですが、改めて見返すと、板が薄い(0.2mm)のと、曲げている幅が短い。最初こちらでは幅1mのアルミ板に溝をつけようと思っていましたが全然曲がらず、泣きべそかいていました。昼休みに米国の例のサイトを改めてよく見てみることで、違いを認識した次第。
午後は治具を作り変えて(幅1m -> 50cm)かなり作業効率が改善。
そんなこんなですが、結局アルミ板を曲げるのに1日費やしてしまった。。。進捗が遅いなあ。。。
今日は母の日だったので、朝、昼とご飯を作り、夜は一緒に餃子を作って食事しました。
おやつにスイカを食べたり、ずいぶんのんびりした感じの一日でした。
妻も、庭にハーブを植えたりして少しリラックスできたのではないかな?
集熱板の製作(2)
集熱板の製作2日目、集熱部分を作りたいところなのですが、明日雨が降る予定。雨が降ると、集熱板の枠の中が水がめになっちゃいます。雨が降っても大丈夫なように、集熱板にポリカの波板をかけ、木枠をガルバリウム鋼板で雨から守ります。
まず、ガルバリウム鋼板で木枠の覆いを作ります。
建物用のトタンの金物でいいのがあればと思って探したんですが、ちょうどいいのが見つからなかったので、仕方なく、ガルバリウム鋼板の平板から自分で水切りを作ります。
まず、210mmの幅にガルバの平板を切って、端を1cmずつ折り返しておきます。
そのあと、端から4cmのところを折り曲げました。
こんな感じで、木で押さえて、ゴムハンマーでたたいて折り曲げますが、けっこー大変な作業。
なんか手を抜いて木で押さえないでやったものはべこべこになっちゃうし、木で上手に押さえるのもなかなか手数の多い仕事。途中でやめたくなりましたが、何とか4枚分の水切りを作りました。
水切りをかぶせますが、水切りを重ねた時に下側にくる水切りは端っこを折り返して水を返すようにしたつもり。
本当は、あと3枚ほど水切り作る必要があるのですが、このままだと日没までに作業が終わらないので、ここまでにして、木枠にポリカの波板を張り、その上から水切りをかぶせて留めました。
一通り形にして片づけをしたころには、あたりは暗くなり始めていました。
夕方から風が吹き始めて波板が風で飛ばされそうになったりと、なかなか大変な作業でした。
これから製作していく、コアになる集熱部分は、こんな構造。
12.7mm径のなまし銅管で、水を循環させて、お湯にします。配管の抵抗を抑えるために、2つに分かれて熱を集熱板(アルミ)から集めて、また1つに合流します。
集熱板の製作(1)
集熱板の製作に入ります。
前日に材料リストを作って買い出しをしておきました。
材料:
・2×4の木材
・9mm構造用合板
これらは、あらかじめ、図面で寸法だしをして、ホームセンターで指定した寸法に切っておきました。合板の縦挽きってとっても大変なので。
・野縁用の30mm*40mmの角材 4mものを6本。合板の下地に必要。
・断熱材 グラスウール 2坪ぐらいは必要なので、3坪分を購入。前のプロトタイプはスタイロフォームを使っていましたが、価格の問題と、断熱を良くするより、いかに素早く集熱板の熱をタンクに送り込むかが重要だそうで、あまり断熱は頑張らなくてもよいみたいです。
あらかじめ買ってあったのは他には、0.5mm厚のアルミ板と12.7mmのなまし銅管その他で、これは、集熱板として用います。
それから、ポリカの波板1.35m*60cmのを8枚、ガルバリウム鋼板2畳分。これは、集熱板内に光を通し、集熱板を雨から守る屋根を張るのに使います。
あと、屋外に置くものなので、暴露しているところは、塗装をします。屋外用のペイントを1缶、刷毛、あと、集熱板のアルミ板などはつや消し黒の油性のペンキを塗ることにしました。
さて、朝から製作開始。
まず、集熱板の裏側の合板は後からペイントを塗るのは大変なのであらかじめ塗っておきます。
2回塗りしたところ。水性のペイントは長持ちするか不明ですが、雨が直接当たらないからいいかな。
すぐ乾くのでやりやすい。
ペイントを塗った9mmの構造用合板を、架台の垂木に留めて、面を作りました。
もう、4月も末になると、日差しが厳しい。
そこに、2×4で枠を作ります。
途中、昼ごはんと買い物に出かけたので、ちょっと夕方になってきました。
枠は、合板の方からコーススレッドで留めていきますが、シンプソン金具も今回コーナーと継ぎの部分に使ってみました。しっかりとした枠ができるので、金具を使うのがよいです。
枠の中は断熱材で埋めて、その上に集熱板を作りこんでいくのですが、集熱板は、やはり9mmの構造用合板に留めつけるのが便利なので、合板を断熱材の上に留めるために、下地を野縁材で40mm分作っておきます。
下地をつけたところ。
ポリカの屋根をつけるときに、受けが必要なので、受けを集熱板のところにつけられるように、その下側にもしっかり下地を作っておきました。
そこに、タッカーを使って、グラスウールを充填していきます。
無理やり詰めてみました。
透湿層の向きに悩みますが、一応集熱板は高温になるので、湿気が出ていくセンスってことで、集熱板側を透湿層にしてみました。
今日はもう夕方なので、あと9mmの構造用合板をかぶせて留めつけて終わり。
集熱板本体の製作、屋根をかけるのは明日以降。
とりあえず、雨が降ったらまずいので、明日にはポリカの屋根を作りこんでおかないといけない。
集熱板は、銅管を曲げたり、アルミ板を曲げたりと段取りが結構あるので、そのあとで落ち着いてやろう。と思います。
並行して妻は庭木を植えたり(おもにグランドカバーの草木)していた様子。
かなり賑やかな庭になってきた。
今日はとても天気が良かったのでずいぶん日焼けしてしまいました。
熱交換器性能試験
温水タンクの水を温めるのに、集熱板で不凍液をお湯にして、その熱を熱交換器を通じてタンクの水を温めるという仕組みにしますが、その熱交換器の性能確認試験をやってみました。
以下少々技術的な記載が続きます。
試験は、完成時とは逆に温水タンクの中にお湯を貯めておき、その熱を熱交換器を通じて、集熱板側の水タンクの冷水を温めることで行いました。
システムはこんな感じで、温水タンクは300リットルで53℃のお湯、水タンクは18リットルで12℃の水が入っています。ポンプを2台まわして、水タンクの水を温めます。
熱交換の効率を調べるには、熱交換器の水タンク側、温水タンク側それぞれの入口と出口の温度を測定します。温度は、一部は、デジタル表示の温度計を配管に取り付けて測り、一部は、サーミスターを貼り付けてその抵抗をロガーで測り温度を計測しました。
熱交換器から時間Tの間に得られる熱量Q=流量U*入出力温度差dTです。
熱量を出すのには、温度だけでなく、流量Uが必要で、それはポンプで吐き出される流速をフローセンサーで計測して算出しました。同じ配管だと温度に関わらずポンプの流量はほぼ同じで、今回温水タンク側は8.5リットル毎分、水タンク側は11.2リットル毎分程度でした。これは使用したDCポンプの仕様とほぼ同じでした。
水タンクは、ポリタンクを使いました。
この温度の測定、やってみると結構難しく、配管が外気に触れるので、冷えてしまって中をとおっている水の温度を正確に測れていませんでしたが、まあ何とか傾向をつかめるデータが得られたので、まとめておきます。
まず、ポンプをONにしている間の各部温度変化。
最初、温水タンクの中の温度が急激に下がりますがあとはほぼ一定。熱交換に従って、水タンク系の温度が上昇し、最終的に温度が変化しなくなりました(=平衡)。
ここから、各部の熱流量を計算すると
のような感じになり、最初水タンクの水を温める以外に熱交換器で交換した熱が使われ、そのあと水タンクの水温が上がっています。温水タンクから奪われた熱量の方が概して、水タンク側に得られた熱量より大きいですが、これは熱交換器から放射などしている熱量でしょうか(熱交換器や配管は断熱していないせい?)
水タンクと温水タンクの温度差と交換された熱量を見てみると、比例関係が
こんな感じで成り立っています。
原点をとおっていないのは、温度測定にずれがあるためでしょう。比例関係が成り立っているのが重要で、
時間当たり交換される熱量(W)=総括伝熱係数U*温度差dT のような関係となるわけなので、この関係を使って、集熱板から得られた熱を十分に温水に伝達できるかを評価できます。
今回の実験では、
熱伝達率(W)=290*温度差(degC)ということなので、温度差が20℃あった場合には、5.8kWの熱交換が可能ということになります。
温水タンクが40℃, 集熱板からのお湯の温度が70℃のような場合ですと、今回の熱交換器システムだと、8.7kWの熱交換ができるということ。一方集熱板は6m2程度のを作るつもりですが、そこから得られる太陽熱は効率40%として、2400W程度と考えられるので、熱交換器の容量は十分に余裕があるということになります。
もっとも、熱交換が十分になされるためには、ポンプによって十分な水の流れがあることが必要で、今後配管の抵抗には十分気をつけないといけなさそうです。循環させてみて流量が十分に取れないことがわかったら改善するようなアクションが必要です。
というわけで、次はいよいよ集熱板をこしらえることになるのかな。。。