ハード面は、RF基板へ乗せるトランスやコイルを巻く作業がありますが、mcHFは回路にいろんなバージョンがあるようで、その違いが咀嚼できていないので、それはちょっと後回し。
トランシーバーの制御ソフト関係を入れることにしてみます。
(3) ソフトウェアの設定
(3-1) ソフトコンパイル環境の整備
最新のファームウェアを試したりするには、ソフトをコンパイルする環境があった方がよい、ということと、個人的にはGUIの統合環境でソフトを開発するのは苦手なところもありますので、linuxのコマンドライン環境でmcHFのソフトの開発をやろうと思いました。
mchf の開発陣は、Ubuntu linuxを開発環境として推奨してるっぽいので、PCのVirtualBox仮想環境に最新のUbuntu 16.04をセットアップしました。
mchfのgithub での説明では、コンパイラーは、Ubuntuのrepository から入れてね、と言っていたので最初はそうしたのですが、mcHFのプログラムをコンパイルしようとすると、Makefileを書き換えたり、コンパイルの途中で
nano.specs: No such file or directory
というような、開発環境の不足に関係したエラーが起きたりして困りましたので、コンパイラは、GNU ARM Eclipse のインストレーションのページの手順に書かれている、
download the latest Linux install tarball file from ARMDeveloper
の言う通りにコンパイラのtar ballをダウンロードして設定、mcHFのgithub からダウンロードしたソースをmake all したところ、問題なくmcHFファームのコンパイルができ、mchf.binが生成されました。
たぶん、Japanese version(バンドプランの修正)を作ったりする際など、ソースをいじくる必要がありそうなので、これは必要なステップかなと思います。
(3-2) ブートローダーの書き込み
firmwareを書き込むためにはブートローダーを書き込んでおく必要があります。
これは、mcHFのドキュメント(Bootloader-Install.pdf)に書かれているとおりにやったらできました。が、一応手順を記載しておきます。
ST micro のDfuSe tool をダウンロード、インストールしておく。(サイト登録が必要かも)
USB mini cable でPCに接続する。
UI ボードにP6 という2ピンのジャンパーがありますので、そこをジャンパピンなどを付けるなどしてショートしておいた上で、RFボードと組み立てる(電源供給にはRFボードを繋ぐ必要が当然ある)。
Band+ ボタンを押しながら、powerを押すと、電源が入る。
当然、電源はDCジャックから12vを供給しますが、いい12V電源が見当たらなかったので、昔100Wリグに給電するために使っていた電源からDCジャックに14Vを供給しました。レギュレーターが結構熱くなるので、3mm 厚のアルミ板をクリップでレギュレーターに留めて、放熱をしました。
Powerは押したままで、Band+を離す。(Powerは終わりまでずっと押したままにする必要があるので注意)
DfuSeツールを立ち上げ、Choose file ダイアログで、bootloader (面倒だったので、こちらの、firmware.bootloader-binaries.zipを解凍したものを使いました。)を選び、Upgradeを押すと割と一瞬で書き込み終わります。
終わったら、P6のジャンパーを外して組み立てなおしました。
(3-3) firmwareの設定
こちらは、現在のbootloaderでは、USBドライブにmchf.binをコピーしておき、それをmcHFのUSBホスト端子に刺して、書き込む方式になっているようですので、そのやり方でやりました。
その手順は、こちらに昔のやり方も含め書いてありますが、こちら
のFirmware Update Procedures Using a USB Driveに書かれている方法をやりました(簡単!)。
USBドライブに書き込みたいmchf.bin を書いて、本体に刺す。
Band- を押しながらPowerを押して立ち上げる。と、勝手にUSBドライブに書かれたmchf.binを認識して、今のfirmware をUSBドライブにバックアップを取ったうえで、mchf.binを書き込んでくれます。あとは、Band-を押して再起動するだけ。
USBケーブルはfirmwareの書き込みには必要ありません。
そんなこんなで、一応mcHFが立ち上がるようになりました。
画面はこんな感じで、超cool. UKのファームなので、5.251MHz という日本で使えないバンドが入っているので変更しないといけません。
これで久しぶりに開局してみようかと思っているところです。
(4) コイル、トランスの取り付け
ソフトが動くとどうしてもワッチをしたくなります。
7MHzバンド用のLPFのコイルとSWR計のトランスを取り付け、受信できるようにしてみました。
コイル巻くの結構大変です。21ターンのコイルとか、何周巻いたか忘れてしまう・・・それから、エナメル線(というかウレタン線?)の被覆を剥くのがとっても難しくって、きれいにできません。これはやり直しかな。・・・
とりあえず、動作確認。同軸の芯線に手を触れたらノイズレベルが上がることを確かめた。
ちょうどCQ WPXコンテストやっていたので、7MHz でCQ出しているJA7の局を確認できました。TNX