鏡面研磨(2016/3/1)

ひどい研磨痕を作ってしまったので、均す研磨をしてみました。また、フーコーテスターのゾーンテストのデータ処理をするプログラムを書きました。

FT

これが、30分ほど研磨をやり直した結果。ピッチ盤は30℃ほどに鏡面を温めて少しピッチ盤を馴染ませた後に研磨を行いました。最初は引っかかる感じがありましたが、10分ほど研磨すると引っかかりが取れてスムーズに動かせるようになりました。盤の研磨方向も15分程度をめどに方向を変えて様子をみました。

研磨痕は取り切れていませんが、多少ましになりました。リングはまだ残っています。

ゾーンテストの結果は、各ゾーンについてのナイフ位置に対する右側左側の輝度差が下のようになり、ここから、輝度差が0となるナイフ位置を推定しました。

Foucault_KnifePos_0

ナイフ位置(収差)を5回分のゾーン測定結果について、放物面の収差と比較して示すと下のようになりました。(昨日までのプロットは、放物面の収差量の計算が間違って4倍になってました。。。)

FoucaultZone

リングがゾーンテストの結果にも見えているのと、目立ったターンダウンがでています。

5回目の測定結果(水色)がずれているのは、おそらく、4回目の後しばらく経ったため鏡面の温度変化があったため?かな?

鏡周部のゾーンテスト結果にみるターンダウンは、ひょっとすると鏡面のゾーンテストのやり方に問題があった可能性もあるかも(ナイフ位置と輝度の変化の仕方が他のゾーンとことなるので)。

鏡面研磨(2016/2/29)

フーコーテストができるようになったので、ピッチ盤を引っ張り出してきて鏡面研磨をしました。

まず、かなり長い間放置したピッチ盤が馴染むか不明だったので、そこを目指して。

まず、鏡にハンドルを取り付けます。前に木の棒をピッチでつけていましたが、2回連続で剥がれてしまいましたので、今回は、デルリンとアクリル板を使って樹脂のハンドルを旋盤で作りました。これを両面テープで鏡に貼りました。

2016-02-29 18.38.15

ちゃんとついているか不安だったので、上から10kgの錘を乗せて密着を図りました。

2016-02-29 18.46.27

ハンドルを貼ったら、お湯(50-60℃に調整)に鏡を浸し、鏡を暖かくしておいて、ピッチ盤の上にクッキングシートを挟んで乗せ、10kgの錘をさっきと同じように乗せました。

10分程度押し付けて、なじませたつもり。

が、やりすぎたようでピッチが境界でへこんじゃいました(涙)。とりあえず見なかったことにして研磨液(セリウム)を少量つけて研磨開始。

両面テープで取り付けたハンドルは、お湯にも耐えてちゃんとついています。

2016-03-01 00.24.27

これがわが家の研磨環境。研磨台はスツールの下を木で固定して用意しましたが、スツールの座面が折り畳み式のため、結構がたがたするのでいまいち。

(温度計が水没しているのに写真を撮った後、気が付いた。やべー。)

研磨はかなり引っかかりがあり、スムーズな研磨運動が難しい。

30分ほど磨いてフーコーテスターにかけてみたところ、深い穴はなくなっているようだったが、鏡面に焼けができていて、洗っても取れない。

しょうがないので、研磨液を少し濃い目につけて、軽く数分研磨をしたところ何とか焼けはなくなったが、研磨痕だらけというひどい状況だということがわかった。

FT-20160229_2312-0014

ポン・デ・リングじゃー!(涙)おそらく引っかかりがひどくて回転運動がちゃんと行えなかったため。

ゾーンテストの結果は、球面と放物面の間あたりだが。。。。前途多難ですね。

20160229_zone

フーコーテストの結果は4回測定してほぼどれも同じ結果が得られているので、よしよし。。。

鏡面のフーコーテスト

昨年から乙女高原の観望会で15cmの反射望遠鏡の鏡面を磨いています。月に1日程度の観望会の一環なので、非常にゆっくりとした進捗ですが、何とか昨年11月の観望会の時にセリウム磨きまで到達しましたが、残念ながらそこで時間切れ、観望会は12月~3月は冬季のためお休みです。

その間家で「自習」しようと思って道具を持って帰ってきたんですが、なかなか進められていませんね。

まず、鏡面を調整するのに、鏡面が理想の放物面からどの程度ずれているのか検査する必要がありますが、その道具がありません。

というわけで、12月から、鏡面検査のための道具(フーコーテスター)を作ってました。

ようやく、フーコーテスターが一応形になって検査ができるようになりました。

DSCN4821

これがテスターの全景。3Dプリンターの部品のあまりもの(NEMA17モーター、LM10UUベアリング等々…)を組み合わせて、XY微動テーブルを作りました。

0.8mmピッチのM5ネジを使って微動をしていますが、ステッピングモーターのマイクロステッピングを活用すれば一応1/4000mm単位で送れるハズ(実際はこんなに細かく送れる必要はありません)。

フーコーテストをするのに、こんな可動範囲の広いテーブルは全然必要ない(数cmもあれば十分)なのですが、他の測定にも使えるかと思って欲張った内容にしてしまったため、精度的に辛いことになってしまった感じ。

フーコーテスターのキモである、ナイフエッジと光源は、QCAMFTの図面をほぼそのまま頂いて作りました。

DSCN4819

この方式、鏡の光軸合わせをするときに、光源の前のスリットを一時的に(ずらして)外して明るい光にできるので、合わせるのが非常に楽です。とは言っても、明るい日中の部屋でテストをする時などは、光源の像が見えにくいので、写真のようにマグライトで鏡を照らしてその反射像で大まかに合わせこんでから、LEDライトの光源を探すと割合簡単に合わせられます。

ナイフエッジは、鉛筆削り(2個入りで100円!)の刃を使いましたがほぼ問題なさそうです。LEDは、ダイソーのLEDライトから白色高輝度LEDを外して使っています。最大で、10mA程度流すように、LM317で定電流回路を組んで光らせていますが、実際はその1/10程度の電流で十分以上に明るいです、が、明るさを変えられるようにすることは、必要そう。

DSCN4820

XYステージのモーターのコントロールは、これも3Dプリンターの部品のあまりものの、Pololu A4988ステッピングモータードライブモジュール2個を使い、これをArduino Uno (の互換品…)で制御しています。同じ基板にLEDライトの定電流回路も載せました。

最初は、Raspberry Piでこれを制御するように作っていたのですが、カメラのRaspberry Piの画像取り込みがあまりに遅いのが嫌になってArduino+PCベースに作り替えました。(かなりの回り道)

ナイフエッジの影の観測は、5xのファインダーを手持ちのUSBカメラをコリメート法で撮影し、PCで見られるようにしています。

DSCN4817

XYステージの制御と、USBカメラの画像処理は、Processing を使って、キーボードでXYステージを操作しつつ、ゾーンテストができるソフトを書きました。ちょいちょいと400行程度で、かなーり便利なソフトが書けました。Processing 素晴らしい。

5xのファインダーを使ったので、15cmの鏡がかなり大きく映りますが、20cm鏡とかの検査だと5xだと鏡が収まらなさそう。

鏡を置く台は、手持ちの集成材(18mm厚)を適当に切って作りましたが、一応傾斜調節をM10ネジでできるようにはしておきました(まあまあ便利)。高さ調節は、ネジでもできますが、結局は子供の絵本を台座の下に入れたりしてやってます。

さて、テスターができたので、自分が磨いている鏡の検査をしてみました。

私が書いたProcessingのソフトでは、USBカメラの画像を10枚程度平均化して測定の安定化を図っていますが、かなり有効のようです。

FT-20160228_0025-0008

これは、周辺部の焦点に近いところのフーコーテスト画像。中心部に非常に大きな穴が掘れちゃってます。望遠鏡としては使い物にならないレベルなので、修正研磨を一生懸命やらないといけない感じ。。

ゾーンテストも一応やってみたのでその結果。無題

橙色が、ちゃんとした放物面になっていた時期待される結果。青が私の鏡。話にならんです。

手持ちの望遠鏡(20cm F5)の鏡も見てみたいところですが、それより先に磨き中のこれを何とかしないと。「自習」を進めて、望遠鏡に組み込んで星が見られるレベルに持って行きたいところです。

 

卓上旋盤DRO

卓上旋盤(旋盤市場のPSL400-VD)導入してだいぶ経つんですが、稼働率があまり良くありません。

それは、やっぱり、CNCでもなく、ハンドルグルグルで操作するタイプなので、面倒、ということかもしれません。

縦送りも横送りも、ハンドルを回して、刃の位置を設定するのですが、ど素人の工作用ですから、たまにしか卓上旋盤を使わないので、いつまでたってもハンドルの回し回数から送り量を間違わずに設定するという慣れた状態に到達できずにいます。

だいたい、何回か送っているうちにどこまで送ったか忘れてしまっていて、削りすぎたりしちゃいます。

やはり、楽しく工作をするには、ど素人ほど、楽な工具でないといけません。

ということで、前々から、DRO(Digital Read Out)をつけて、刃の位置を覚えていられるようにしようと思っていたのですが、しばらく前に旋盤市場で取扱いのDROキットを購入してみて試したものの、それは、ハンドルの回転数をカウントする方式なので、送りネジのバックラッシュ分誤差が出てしまうし、ハンドルの回転が非常に渋くなってしまい、嫌になって元に戻してしまっていました。

今回、ふと、思い立って、卓上旋盤にデジタルノギスをつけて、刃物位置を直読する方式にしてみました。

取り付けたデジタルノギスは1丁1000円弱で買ったものなので、失敗しても惜しくない、ということもあります。

フライスで取り付け金具を切り出して、デジタルノギスを取り付けました。デジタルノギスのジョーをそのままにつけると、操作中に思わずケガをするかもしれませんので、不要なところをディスクサンダーで切り落としました。ノギスのスケールを高温にしてしまうと使えなくなってしまいますので、水で冷やしながら切断しましたが、ステンレスは熱伝導率が低いため、それほど慌てずとも、壊さず切断することはできました。

DSCN4602

縦送りへの取り付けは、自動送りのラックの止めネジに固定用金具(L金具)を共締めして、スケールの方は、旋盤本体にすでにあったM6のネジ穴を利用して取り付けました。

DSCN4601

横送りの方も、既存のネジ穴を利用したかったのですが、良い方法が思いつかず、横送り台の2か所にタップ穴をあけて、金具を留めています。無精者なので、ドライバードリルで直接ゴリゴリ3.5mmのドリルで穴あけ、M4のタップを切りました。加工は送り台が柔らかいため簡単デシタ。

DSCN4599

現物を見ながら、金具を作っていったため、構想が不十分で現物合わせの嵐ですが、何とかつきました。各部ハンドルが干渉しない位置にノギスを取り付けるのは、それなりに大変でした。今の位置でも、心押し台と干渉しそうでパーフェクトとは言えませんが、一応、各ハンドルはどこにあっても干渉なく回せますのでOKと思います。

チェックとして横送りハンドルを1mm分回して、1mm表示が増減することを確認しました。

やはり数値で直読できるのは良いです。デジタルノギスの反応が遅いので、ちょっと悩ましいところもありますが、強力な助っ人を得た気持ちです。

 

電気契約プランの検討

わが家は電気とガスの併用です。ガスはプロパンガスだし、ガス温水床暖房を使いまくっているのでわが家の光熱費はかなーり高いです。

太陽熱温水器を自分で作って楽しく使っていますが、ガス代全体からみると太陽熱温水器の貢献は微々たるものという感じです(夏場はガスの使用量が激減しますが、基本料とかありますので。。。)

電気は電気で、自作の太陽光発電は、温水器やその他の自分で作ったいろいろのシステムの電力をまかなうために使っているため、電気代の削減にはほとんど貢献していません。

それに、何より、わが家の問題は、PCを何台もサーバー的につけっぱなしにしているためか、PC関係の電力を足し算したらかなりの電気代になっているようです。

こちらに書いたように、家の消費電力をモニターできるようにしてあるのですが、飽きっぽい性格のためか、PCの消費電力を測定したりして消費電力を削減したりすればいいのですが、ただただデータを取るばかりでありました。

ちょっと今検討中のことがあり、今後、さらに電気代が増える可能性がありますので、自作の消費電力モニターでこれまで取ったデータを分析して、電気の契約プラン見直しに役立ててみようと思いました。

2013年1月からこっちの1分ごとのわが家の使用電力のデータが蓄積されていますので、これを分析するプログラムを書いて、各月、各時刻ごとに集計をして、さらにいくつかの電気契約プランに基づいて電気料金を計算してみました。

その結果がこちら。下が、わが家でいつ電気を使っているかを月ごとにグラフにしてみたものです。

朝と夜に電気消費の山がそれぞれありますが、朝の山は冬に高く、夜の山は夏と冬にピークがあることがわかります。また、夏場は昼間の消費電力が結構あります。

これは当然といえば当然ですが、これらの時間帯にエアコンを使っているためと思います。

よく見ると今年度になって夜のピークが早い時間にシフトしている気がしますが、なんでかな。。。

power_3d

この集計結果をもとに、従量電灯B(現契約)、半日お得プラン、ピークシフトプランの3つのプランで電気代がどの程度変わるかを計算してみました(下の計算結果には、燃料費の調整や再生可能エネルギー関係の費用が入っていませんが目安にはなると思います)。

power_nedan

赤色の線が現契約の従量電灯Bで、緑の線が半日お得プラン、青い線がピークシフトプランです。

ピークシフトプランは、夏に電気代がかなり上がってしまう可能性があることがわかります。

これは、従量電灯Bや半日お得プランでは、昼間の電気料金が3段階で上がるようになっているのですが、ピークシフトプランでは、その3段階がないので、電気の消費が大きいと夜間電力の分お得になる場合が出てくるのですが、わが家の場合ではそこまではいかないようです。

というわけで、半日お得プランだとわが家の場合にはおおむねオールシーズン電気代の請求が減る可能性が高いことがわかりました。半日お得プランだと夜間(9時~9時)の電力が半分以下の値段になるので、わが家のように共働きの家庭だとお得の場合が多いかも。

というわけで、さっそく電気契約変更してみようかなと思っています。(とはいえ、せいぜい年間1万円程度の節約にしかならなさそうですが・・・)

これを機会にPC等の電力も見直してみないといけないかなーなどとも思っています。