3Dプリンタ 2号機の製作

構想を書いてから1か月以上過ぎてしまいましたが、2号機作りました。

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倉庫が散らかっていて見苦しいですが。。。上から見たところです。

 

ベースは、ichibey さんのcorecube sakura rev. 3 を選びました。

これは、H-botスタイルのガントリーでホットエンドが駆動され、Z軸はmakerbot replicator やUltimaker 等でよく見られる、テーブルが上下するタイプです。

構想でも書きましたが、激しく動く必要のあるXYはなるべく軽い機構で動かせ、あまり動かないZは台形ネジでゆっくりしっかり動くというものを作りたいと思いました。

また、私の1号機はデルタプリンタを選びましたが、プリントの範囲を容易に拡大することができないので、プリント範囲を比較的容易に拡大できるこの構造を選択しました。

目標としては、A4の面積のプリントができるものを目指しています。そのため、ichibeyさんのblogの情報では300mm長のアルミフレームで組まれていますが、私はX軸の長さだけ450mmのアルミフレームを使って大型化しました。(後でも書きますが大型化には問題がなくはないです)。

部品の収集は、monotaro やaliexpress 、それからアルミ板やアルミLアングルなどは近所のホームセンター(Unidy)で行いました。

aliexpressで購入したものは、安く済ますために、ほとんどfree shipping を選択してのですが、本当に1月以上届くまでかかったものや、違う部品が届いたりしたものもあり、苦労しました。

Ichibeyさんのblogに様々な情報がありますが、部品表は明確に書かれていません。そこで私の製作では部品表を作りながらやっていて、ある程度めどがついたらここで公開できればと思っていますが、作りながらいろいろ変更を続けて今がある、という感じなので、なかなかこういうまとめ作業まで行きませんね。。。

また、部品も少し違っているところなどもありますので、そのため、追加部品をデザインしたりする必要がありました。

部品のデザインは、元ネタのstl ファイルがある場合は、sketchup でインポートしていじくってstl で出力するか、stl から寸法を測定して、ptc creo elements direct modeling express でモデリングしてstlで出力したりしています。stlをそのままいじるのは結構大変なので、結局最初からモデリングしたほうが良い結果が得られるように思います。機械部品などはたいてい単純な構造なので。。。

Ichibey さんのcorecube sakura との主要な違い(と私が考えているところ)は、

・エクストルーダーはボーデンタイプにしました。

これは、1.5倍に大型化しているので、X軸の荷重をできるだけ減らしたいので。フレキシブルフィラメントを使う場合には、ダイレクトでないと問題が出るようですが、私はフレキシブルフィラメント使う予定がない。前に部品を購入してほったらかしになっていたatom 用のエクストルーダーセットをようやく組み立てて、20mmアルミフレームに3mm厚アルミ板を介して取り付けました。

・ホットエンドは中華のe3dモドキを使用。

2個で38ドルという激安プライスにつられて購入しましたが、片方のカートリッジヒーターがいきなり焼き切れ、もう片方ユニットはサーミスターが取れてしまうというトラブルに見舞われましたので、いきなり二個イチです。本家のe3dのほうは、ヒートシンク冷却用のファンとエアーダクトなど必要なものがついてきますが、こちらのほうはついていないので、X軸トレーラーにホットエンドを取り付ける部品と合わせてデザインしてつけました。

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・Z軸は300mmの8mm台形ネジを採用。

これは、aliexpress でナット込みで売っていたので。このあたりにガタが出ると厄介なので、普通のネジは使いません。下側のベアリングはmonotaroの8mmセットカラー2個でおさえました。

・20mm角アルミフレームは、monotaroで売っている金具で組み付け。

この金具はかっちり組み付けするのには向いていません。スロットに少しでもはまるような構造ならいいのになあ。。。というわけでひと段落したらこの金具を少し改造して改良したいと思っています。フレームの直角が出るかで精度がかなり変わると思うのですが、今の構造だと調整がうまくやれない。

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・ヒーテッドベッドは、CNCルーターで切削して製作したもの。

Z軸のテーブル回りはあまり参照するデザインが見当たらなかったので比較的苦労したところです。

こちら のデザインをエッチングではなく、CNCルーターで切削して製作しました。

電源が12Vだと発熱量がこの大きさのテーブルだと不足です。60℃くらいなら今の設定で維持できていますが、ここは改良が必要。とりあえず、ヒーテッドベッドの下にダイソーのコルクコースターをはさんでいます(押えは、コルクのクサビを入れているだけ!)が、これじゃあダメですね。

サーミスターは、外れてしまったe3dモドキのホットエンドについていたものを転用。転んでもただでは起きませんよ。

ヒーテッドベッドは、3mm厚の200x300mmアルミ板にねじ止めして、その上にダイソーで売っていたA4サイズ程度のフォトフレーム(100円)からとったガラス板をクリップで留める構造です。

ガラス板が激薄なのが実は良くて、ヒーテッドベッドのサーミスターで測定した温度とガラス板の上の温度は5℃程度の違いで済んでいます。

テーブルは4点支持していますが、構造に問題があり、調節に難あり。ここも改良が必要。横に長いと水平の調整が結構シビアなのでもう少し真面目に考えたものにする必要がありそうです。

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・ファームウェアの設定

ファームウェアは1号機でも使っているRepetier firm のv0.92を使いました。

core-xy もサポートされていますので楽ちん。Web のコンフィギュレーターで設定して、ArduinoでコンパイルしてArduino mega 2560 (これも激安中華クローンを採用!)+RAMPS1.4に書き込んでいます。

現状で可動範囲はX 350mm Y 172mm Z 175mm程度ですがもう少し広げることは可能と思います。

Y軸が狭いですが、これは、ホットエンドの張り出しが大きいから。

X, Y, Z が160 step / mm (Zは違うかも リードスクリューが2mmピッチです)。Extruder 95.5steps/mmだったと思う。

X,Y,Z minにエンドストップのスイッチ(Normally close)を取り付け、Y, X, Zの順にホーミングするように設定しました。

 

プリントの様子はこんな感じです。

これは、作ったプリンタでこのプリンタの部品をプリントしなおしているところです。

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現状H-botのガントリー構成ですが、Core-XYに改造しようと思っていて部品をちまちま作っているところです。

白いのが2号機でPLAで出力。オレンジが中華激安ABSを1号機で出力したもので、おおむね2号機のほうが良好。

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XYガントリーの調整とZ軸周りの支持構造を見直したら、もう少しきれいにでるようになると思いますが、とりあえず元々のSTLモデルにあったポリゴンの構造がちゃんと見えるレベルなので、OKです。

カメラの高速度撮影モード(120fps)で撮影してみました。まあまあ良好ですが、ベルトが振動で共振しているのが気になります。CORE-XYにするとこの部分のフリーなベルトの長さが縮まるので改善はすると思いますが。

とりあえず、配線の整理、Zテーブルの改良、CORE-XYへの変更など盛りだくさんなメニューですが少しずつやっていければ。

 

卓上フライス盤(X-1系)のCNC化(4) Z軸モーター駆動化 試験切削

ようやくZ軸もモーター駆動化しました。
Z軸は重力がかかっているのでコラム全体を持ち上げるトルクが取れないといけませんのでなかなか難しいです。

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3軸モーター化した状態がこれ。

3Dプリンターで部品を印刷しましたが、材質を統一しなかったので、でたらめーな感じ。

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Z軸はスピンドルモーターからの配線との干渉がいやだなと思って反対側にモーターを出してみました。

リミットスイッチもつけてあります。配線を整理しないといけませんがとりあえず。

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こちらは軸まわり。M10のネジ棒の中心の位置がはっきりわからなかったので、部品を切削してつけてみたら軸が完全に合わず、0.3mmの銅板を挟んだりして調整する羽目になりました。これは後で改良版の部品を作り直しかも。そのついでにボールねじ化するかも。

軸がかなり正確に合っていないと、Z軸をあげきった時にネジの摩擦が大きくなって動かせなくなります。したがって、軸をしっかり合わせこめる構造にするか、軸が多少ぶれてもよい構造を考えないといけないです。

この辺の心配もあるので、Z軸の最大速度はX,Y軸の7割程度に制限させています。改善の余地あり。

バックラッシュは0.15mm程度と他の軸と同程度の値がでましたが、コラムの重量で片側に与圧がかかっているかと思ったらそうでもないので、もう少し考えないといけないです。ひょっとしたら、普通のバックラッシュ補償の考え方ではZ軸はだめかも。

軸は、X、Y軸と同様にスラストベアリング2枚で8mmの軸受を挟んでその上にワッシャで位置調整をしつつプーリー(3GTの9mm幅を使っています)、ワッシャ、M6ロックナットで固定という簡素なつくりにしました。

出来上がったX-1 CNCでY軸のプリント部品をアルミ製に変えるべく切削中。

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余りきれいでないですが、CNCだと位置だしが簡単なので、比較的短期間でできました。これならWeekend DIYerでもいろいろ作っていけるのではないでしょうか?

10mmのアルミ板がずいぶん傷がついていますが、ジグソーで切断するときに当て板をしなかったためです。めんどくさくなって段取りを省くとやっぱりよくないですね。

作ってから見返すとまたつくりかえたいところもたくさんあり、そういうことを考えると、こちらの製品はほんと安いなあと思いますが、自分で作ったことでいろいろ勉強ができたので、良しとしましょう。

卓上フライス盤(X-1系)のCNC化(3) X,Y軸モーター駆動化

3Dプリンターの方にかまけ気味ですが、卓上フライス盤のCNC化も進めていきます。

今日は、X軸、Y軸にステッピングモーターを取り付け、モータードライバーに配線をして、さらにリミットスイッチを取り付けることによってホーミングなどができるようにして動作を確認しました。

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これが一通りX,Y軸をモーター制御に変更した卓上フライス盤です。

モーター取り付けのための部品はPLA樹脂で3Dプリンターで出力したものです。送りネジを受けるベアリングを取り付けるプレートはX軸はアルミ切削ですが、Y軸については3Dプリントしたものを試してみましたが、結果からいえば、一応使えるものの、あまりよい感じではないので後でアルミでプレートについては作り直すと思います。

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ホーミングのためのリミットスイッチを取り付けました。これは、端っこまで送ってしまうとプレートと台座がぶつかって、壊れるリスクがあるのでつけました。実際テストの時何度かぶつけてしまいましたが、何とも嫌な感じにプレートが変形してましたので、絶対に必要と思います。切削屑などの対策がちょっと不十分なので、これもあとからになりますが、屑よけをプリントして取り付けようかなと思っています。

スイッチは、M2のネジで取り付けるのですが、M2のタップを持っていませんので、M3のネジで本体側に取り付けられるよう取り付け用の板をこれまた3Dプリントしました。こういう仕事には3Dプリンタはもってこいです。

linuxcnc の設定をして、性能の測定をしてみます。

バックラッシュはX軸が0.16mm Y軸が0.2mmほどありました。繰り返しの精度はダイアルゲージで見る限り10μm以内には十分収まっていそうなので一安心(目標点が低い・・・・)。

速度は思ったほど高速では動かせません。X軸で13mm/s  Y軸で10mm/s を超えるとモータートルクが不足するようで脱調しぎみになってしまいます。切削負荷なしでもF=780が精いっぱいというのはちょっと寂しいですねえ。プーリーを交換して減速してトルクを稼ぐ方法もあるかとは思いますが、ボールねじ化するのがバックラッシュの対策もできて手っ取り早い気がします。

測定した最高速度をlinuxcnc に設定しなおして、テーブルを動かし、可動範囲を調べましたら、X軸は170mm幅がせいぜい、Y軸が80mm幅 程度でした。ベアリングマウントの構造をもう少し工夫するともう少し稼げると思いますがまあ、こんなところでしょう。

旋盤市場の仕様では可動範囲がX軸210mmY軸100mmとあるのですが、そんなに動かせるかしら?(アリミゾの乗っている幅が狭くてちゃんと力を受け止められるのかしら?って思います)。

まだZ軸は変更していませんが一応これでCNCとしては使えそうなので、とりあえず切削負荷なしで動かして遊んでみました。

ポケット加工のG-codeを作ってlinuxcncでX,Y軸を動かしてみました。Z軸はモーターをドライバーに付けてありますが、軸には取り付けていません。

 

こんな感じ。Y軸の動きはやはり3Dプリント部品とアルミ部品の違いでX軸に比べるとビビりが大きかったりと、改善が必要と思います。

とりあえず、これで、きちんとテーブルがCNCで動かせるようになりましたので、DROはつけなくても簡単に位置だしができ、楽に便利にフライス作業・穴あけ作業ができそうです。

3Dプリンタ 2号機 構想

いろいろ出力して遊んでいますが、やはり現在のプリンタの能力に限界を感じていることもあり、2号機を作りたくなりました。

当初、CNCルーターにエクストルーダーを取り付け3Dプリンタにしようと思っていましたが、ボールねじ駆動では速度に限界があること、また、造形物の高さの制約が結構大きい(60mm程度がせいぜい)ことから、この計画は破棄して、別のを作ることにしたいと思います。

現在使用しているデルタ型プリンタの不満点としては、

・メカのガタが減ったとはいえ大きい。

大きな動きをする軸が3軸になるので、普通のプリンタのように2軸だけ激しく動くのより厳しい構造が要求されるのでは?と思います。

・速度を速く動作させるためには、ホットエンド部分の重量を小さくする必要があり、ダイレクトタイプのエクストルーダーを取り付けるのは困難。

・プリントできる範囲がプリンタの大きさの割にあまり大きくない。

デルタのよいと思っているところは、

・造形物が動かない。

これは難しいところですが、造形物を振動する場にさらすのは精度の上に限界があるのでは?と感じています(どうなんでしょ?)

・調整が楽

ベッドの水平垂直の調整が一度合わせたらほとんどし直す必要がないという実感で、オートレベルなどの機構は実質要らない感じです。これは3軸が対称的なのが効いているのかも。

これらを踏まえて2号機は、

・造形物が大きく動かない機構を持つ。

・それなりに大きな造形物を比較的はやい速度で出力できる

・それなりにしっかりした構造を持ち、あれこれ調整の必要のないこと。

・シンプルかつ、スケーラブルなこと。

・改造をしようとしたときにできるだけ他の部品を外さずに変更ができること。

・お値段も手ごろ(に作れる)。

という観点でモデルを探しました。

最初、Prusa i3 あたりを考えていたのですが、上の条件にかなり当てはまっていると思われる、Corecube SAKURA rev.3をベースに作ろうかなと思い、部品を収集、プリント部品をせっせと出力しているところです。

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3Dプリンタで3Dプリンタの部品を作成中!

部品は、中華にあれだけ苦しめられたものの相変わらず中華からある程度収集していますが、monotaro も納期が早いので金物を中心にこちらから購入して集めています。

できれば部品代で4万を切るぐらいで作りたいなと思っているところです(中華頼み。。。)

3Dプリンタ フィラメントあれこれ

3Dプリンタの樹脂フィラメントもあれこれありますが、ものによってかなり特性、そして品質が違うようです。

これまでいくつかの発売元からPLAとABSのフィラメントを購入して使ってみた感想を下記に。

1. GENKEI 販売 PLA 白

最初に購入したフィラメント。値段はそれなりですが、ちゃんと出力できていましたので良いものだと思います。190℃程度に設定

2. サインスマート販売 ABS 夜光色 水色

ABSのプリントをやろうと思ってamazonから購入。 結構ダマができます。また、反りも多め。230℃の設定

ヒーテッドベッドを使って100℃程度にベッドを温めましたが、反りが出てしまいますので、さらにプリントデータにbrimをつけたりしないとある程度の大きさ以上のものはプリントが難しいです。

3. サインスマート販売 PLA 白

多少つまり易いのですが、普通にプリントできます。 193℃の設定が私のプリントではベストマッチ。

問題があるとすると、スプールへのフィラメントの巻きが雑で、絡まってしまうことがありますので、ある程度の大きさのもののプリントの前に一度フィラメントを巻きだして巻きなおしておく必要がありました(結構面倒)。

4. aliexpress で販売されている激安 中華ABSフィラメント 黒・橙 確か1kgで10ドル程度だったと思う。

まだ、黒しか使っていませんがこれひどいです。

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フィラメントの太さがとんでもなく太いところがあったり、また届いた段階でスプールが壊れていたため、アルミテープで貼って補修が必要でした。また、水分を含んでしまっているのか、プリント物がぶつぶつ泡を吹いたようになり、強度も出にくいです。層の間の接着が弱く、パイプをプリントしたら、ぽきぽき折れちゃいました。いくら安くてもこれじゃあだめだね。

これも巻きが雑。

5. Polyplus PLA 透明黄色 

amazon でpolymakrのPLAの扱いがありますので、使ってみました。

透明色のせいか、190℃ぐらいの設定では温度が低すぎるようで射出が十分な速さでできませんでした。215℃程度まで上げると安定して射出できるようになりましたが、温度が高めなので糸を引きやすいです。

6. 3D creators  ABS 緑

クリーム色も含め、amazon で3D creators のフィラメントを買ってみました。

普通にプリントできますが、ダマが多少出ます。それと、サインスマートのABSほどは反りが出ないのですが、層の間が剥がれかけたような感じになることがあるようです。とりあえず出力できるという意味では反るよりは良いのですが、もう少し工夫が必要かな。。。

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違うフィラメントで今作ろうとしている3Dプリンタの部品を出力してみました。

上段、左の黒いのが激安中華ABS 右の緑が3D creators のABS

下段、左の白いのがサインスマートPLA 右が polymakr polyplus PLA translucent yellow

今のところ、NGといえるのは、aliexpress から買った激安中華だけで、他のはまあ、工夫次第でそれなりに使えるのではないでしょうか。

激安中華のフィラメント2kgの処分に困ってます。