Original Prusa i3 MK3 プリンター キットを組み立てる

この8/4にMakerfaire Tokyo 2018 に行ったときに、展示されていたPRUSA RESEARCH の3Dプリンター Original Prusa i3 MK3 に感心して、キットを買いました。

デルタ式のプリンターキットを2014年に組立て2015年には自分で一部の部品を設計した3Dプリンターを作りましたが、それぞれかなり苦労と時間を費やしました。そして、今年の夏前にはアマゾンで売っている中華の3Dプリンターキットをポチってしまっています(ただ組み立てるだけで面白くなかったのでブログには書いていません)。

さらにこのタイミングでまた3Dプリンターのキットを買うなんて、頭がおかしいと思うんですが、やっぱりReprap界のリファレンスを知っておく必要あるよな、レビューもいいみたいだし。などというどうでもいい理由でまた3Dプリンターを増やしてしまいます。

発注したのは、ビルドプレートに3Mのシートを貼ったり、糊を塗ったりしなくてもよい、また、プリントした表面がざらざらした質感になるという、Powder coated steel sheet がついているモデルでしたが、このシートの製造上の課題があったとかだそうで、発注後すぐには発送されず、またアマゾンではpowder coated steel sheetのモデルは買えませんでしたので、こちらに8/5に直接発注しましたら、9/1にプラハからDHLで発送されました。DHLから受け取る時には、輸入内国消費税と立替納税手数料合わせて5000円弱を払いました。PRUSA RESEARCH に払ったのは送料込みで、820ドルちょっと、日本円で94000円弱でしたので、合計でアマゾンから買うのとほぼ同じ費用を要しました。

届いたものの、CNCのいじくりの関係でしばらく開梱できませんでしたが、週末を利用してキットの組み立てを行いました。

キットは、きれいに梱包されてます。組立てマニュアルはわかりやすくてよいです。組立てステップごとに、部品が小分けになっており、マニュアルの章分けに対応した表示もあるので、部品がすぐに見つかるのはとても良いです。

キットの組み立ては、このマニュアルに従ってやればあまり引っかかるところもありませんでした。ただ、部品がすでに改訂されていたため、最後まで組み立てるには途中から、オンラインマニュアルの参照が必要でした。

1.日本語のマニュアルはちょっとわかりにくい。英語のマニュアルの方が気をつけなければいけないことがわかりやすい形で書かれているように思いました。途中日本語のオンラインマニュアルを参照していたのですが、最後はまた英語マニュアルに戻って完成させました。

2.3Dプリントした部品に欠品が1つあった。幸い?にして3Dプリンターはすでにあるので、github でとってきて印刷して問題になりませんでしたが、これが最初のプリンターの人だと困り果てるかも。

私が一番最初に作った3Dプリンターのキットは、欠品はなかったがドキュメントが不備でずいぶん苦労させられた。この間の中華3Dプリンターのキットはネジが大量に欠品していて、monotaroで購入して済ませた。とかなので、まあそれと比べたら50歩100歩なのですが、欠品はいけませんね。。。

擁護のために付け加えると、小分けの部品袋に入っているネジ類などは、必要な部品が必要なだけ過不足なく入っていましたので、中華のキットにありがちな、違うものが違う数量はいっていてなんじゃこりゃーってことはありませんでしたが!

3.ほぼすべてのプラスチック部品が3Dプリントした部品!これはすごいことだと思います。まあ、多量に作るためなのか、それぞれの部品のプリント品質はそれなりなのですが、プラスチック部品の設計が巧みだなと思いました。

設計が巧みというのは、組立てのプロセスを考慮した部品構造設計がなされているということです。例えば、プラスチック部品をM3のネジを使って繋げていくのですが、M3のネジをつけていきやすい仕組みが部品に備わっていますので、キットの組み立ては楽しくできました。

4.部品の種類が少なく、高い部品は使っていない。機構部品など、中華のプリンターにも多く使われていそうな種類の部品を採用しています。が、とはいえ、Z軸ネジと一体になったZ軸モーターとか、コントローラーボードなどプリント品質にかかわるところや組み立ての確実性を増すところには専用部品を持ってくるなど、コストのかけ方のメリハリがあるなあと思いました。

5. 組立て後、ファームウェアにセルフチェックとキャリブレーションのプログラムが入っており、最初の立ち上げ時に、一通りの設定を行うようになっているのが秀逸。中華のキットですと、ここで機械を壊しそうなことが起こったり、スパゲティ(出来損ないの出力結果)を大量生産したりして相当悩むのですが、今回はほとんどそれがなかった。

6. 動作は非常に静か。もちろん、これは私が中華のしか使ってこなかったから非常識なのかもしれませんが、寝室に設置して寝ている間にプリントしても問題ないかも、と思えるぐらい静か。

7. 総合して「よく考えられた」プリンタだな。という印象を持ちました。そんなことで、組立てのプロセスでいろいろと勉強になりましたので、完成品ではなく、キットを買ってよかったなと思います。

組立ての過程の写真と思うことあれこれを書いてみます。

Z軸まで組み立てたところ。
エクストルーダーの組み立てはプラスチック部品の欠品などもあり、苦労しました。

このE軸ユニットは結構重そうに見えるんですが、実はそんなに重くない。フィラメントセンサー、エクストルーダー、ホットエンド、ファン2台合わせてこの重さは優れていると思います。

こういったちょっとした部品も、M3ナットの入りやすさなどいい感じでよく考えられた設計を感じられるところ。


コントローラーボードはとってもコンパクトで大丈夫かな!って思うぐらいなんですが、ちゃんと配線は収まるし問題はなさそう。3Dプリントのケースなので、配線バンドルを留める仕組みなどもケースに組み込まれていて工夫されてる。

組立てが終わって調整後最初のプリントは、付属してきたSDカードに入っていたデータ(カエルさん)をスタンドアローンで印刷してみました。

当たり前かもしれませんが、ちゃんとした印刷が最初からできた。素晴らしい。

さらに、このプリンターはRaspberry pi zero Wをつけるとoctoprint でWifiでつなぐことができるようになっています。ので、ここの記述に従って、つけてみました。

raspberry pi zero W をprusa i3 mk3 のコントローラーボード に取り付けるため、プラスチックスペーサーを介しヘッダーピンを取り付けました。ヘッダーピンはピンの長さが18mm あるものが必要とあり、家のジャンク箱を探したのですが、なかったので、L型の2列ヘッダーピンの長い方を伸ばすとちょうど18mm程度となるので、それを使って作りました。よく見るとピンが折れ曲がっていますが、つながればよい、ということで。

設定をして試してみたところ、動作速度が多少遅いですが、リモートで制御したり、プリントするモデルをアップロードするのには十分な速さですので、いけそうです.

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