3Dプリンター作ってから、いろいろ便利に使っているか?というと、そうでもないです。
部品を設計してものを作るのにはエネルギーが要るんですが、最近ちょっと疲れ気味なのか、ものを作るエネルギーがスパークするところまでいかない感じです。
3Dプリンターは、ネットにモノのデータがたくさん「落ちていて」それをいろいろプリントするのは楽しいのですが、それはそれで、単に人が作ったものを「消費」する感じになっちゃいますね。
簡単にデータをアレンジしてオリジナルにすればいいのですが、それもやはりエネルギーが必要。
ということで、今のところそんな感じなのです。
道具を使って何かを生産するというより、むしろいろいろな道具を手にする方が楽しくて、非生産的な感じに陥ってしまっています。。。。
とはいえ、この週末は、少しでも創造的になろう、と思い、この夏に購入だけしていた卓上フライス盤をCNC化するべく部品を加工したり、家庭菜園の種まきをしたり、子供と一緒に3Dプリンターでいろいろなものを印刷したりしていました。
その一つを、ここで紹介します。
「身近な山をいろいろ3Dプリントして比べて見る」
国土地理院のサイトで、地形図を3Dデータでダウンロードできるサービスがあるのをご存知の方もあるとおもいます。
ダウンロードできるファイルフォーマットの一つに、3Dプリンターで印刷するのに広く使われているSTLフォーマットがあり、これを利用して、山のデータを3Dプリンターで印刷することができます。
今回、わが家からも見える「大山」と火山島である「伊豆大島」と日本一の「富士山」をプリントしてみました。
大きさはダウンロードデータを1/2に縮小して7.5cm角程度で、3種類の山のデータは縮尺を同じに揃えました。高さも水平方向と同じ縮尺にしています。
印刷中。上は、ABSフィラメントの黒色で印刷しているところです。
ここで3Dプリンターの話。
3DプリンターでABS樹脂を使ってプリントしている方は悩まれていることと思いますが、ABS樹脂でプリントすると、樹脂が冷えた時の収縮の影響で、プリントがベッドから反ってはがれてしまったりすることが多く、難しいです。
いろいろと工夫をしているつもりなのですが、なかなかうまくできていません。
Rostock mini pro にヒーテッドベッドを取り付け 、約110℃に加熱してプリントしています。ベッドには、耐熱ガラスを置き、ガラスにはシワなしPit を塗り、樹脂がしっかりと張り付くようにしてみましたが、やっぱり隅っこが反りかえってしまいました。あとは、Brimをつける とか、プリンターの周囲の空気の温度を少し高めにするとかやるしかないかな。Brim をつけてもBrim と本体の間が外れてしまうぐらい反り返りの力が強いこともデータの種類によってはあり、大変な感じです。
ABS樹脂自体は、プリントした後やすりがけもできますし、ノズルに詰まることも少なめでやりやすいんですが、寸法安定性に難ありですねえ。
さて、出来上がりはこんな感じ。
手前が伊豆大島。黒いのが富士山。奥が大山です。
こうやって同じ縮尺で複数の山をプリントしながら眺めてみると意外に面白かったです。
たとえば、伊豆大島が丸くないのは南東-北西に噴火口が点在しているからというのはよく知られている話ですが、富士山もプリントしながら見てみると、等高線がひしゃげているのが印象的です。決して対称的な山じゃないんですねえ。。。そして、富士山、伊豆大島は、火山ですが、大山は、そうではないので、山の形やなだらかさがずいぶん違います。大山に限らず後ろの丹沢の山々の険しさ加減が印象的。
伊豆大島は海底の地形も含めてプリントしてみたいところですが、地理院のサイトでは海のデータが取れないので残念なところ。