ヒーテッドベッドの改良

3D プリンタ Rostock miniのキットを作って遊んでいますが、キットには、ヒーテッドベッドがついていませんでしたので、別途ヒーテッドベッド、耐熱ガラス円板を購入してつけたことは先にレポートした通りです。

現在、プリンターはPLA樹脂でプリントしているので、ヒーテッドベッドは50℃~70℃で運転していて、他の要因によると思われるプリント品質の問題の他には気になるところもないのですが、ぼつぼつABS樹脂でもプリントをしてみたいなということで、ヒーテッドベッドをより高温で運転できるかしらべてみました。

RAMPS1.4でヒーターを動かすと、ドライバーのMOSFETの放熱が十分になされていないので壊れてしまう可能性がありますので、試験は別に作成した温度コントローラーを使います。ヒーテッドベッドを取り付けているアクリル板フレームの耐熱が気になりますので、別途サーミスターをガラス板の上とアクリル板の上(断熱材のコルク板との間)に取り付けて、テスターで温度計測を平行して行いました。データはテスターに表示される抵抗値を目で読んでExcelに入力計算してデータのまとめをします・・・・

DSCN1576

ヒーテッドベッドを最高120℃の設定に温度を変化させながら運転をしました。

そうすると、ガラス板の上は、

  • 70℃の設定で60℃
  • 100℃の設定で92℃
  • 120℃の設定で、111℃

になることがわかりました。かなり温度差が出ていて驚きましたがまあこんなもの?室温にも大きな影響を受けるようで、後で室温が5℃ほど高い時にテストをすると120℃の設定で114℃になりましたので、余りシビアに考えてもしょうがない?

まあ、こちらはよいのですが、アクリル板の方は、コルク板で断熱されているので、ゆっくりと上昇を続け120℃の設定で62℃以上になってしまった(実験を途中で中止)ので、アクリル板の温度をもう少し押さえる対応が必要ということがわかりました。

そこで、アクリル板とコルク板の間にコルクシートや紙のスペーサーを入れて隙間を2.5mm程度とり、またアクリル板の中央部に25mm径の穴(手持ちのホールソーの関係)をあけてそこに50mm角のファン(これも手持ちの関係)を取り付けて強制空冷ができるようにしてみました。

アクリル板の温度を見るために、ヒーテッドベッド(径200mm)の端から40mmと68mmの位置にサーミスターをはりつけて温度の状況を調べます。

DSCN1593

こんな感じで、中心からファンで押し込んだ冷気でコルク板の下面に風を流して冷やします。

DSCN1596

ファンを回しているところです。10年以上前に使っていたPCのグラフィックボードに付いていた空冷ファンなので、ベアリングが死に掛けのような音を出していますが気にしない・・・・

再度ヒーテッドベッドを運転して温度データを取りました。

ヒーテッドベッドテスト_140629

ファンを回していなくても穴から冷気が自然に流入して冷やされないかな?と淡い期待を抱いていたのですが、ちょっと無理のようで、多少温度の上昇の速さは遅くなっているようですが、ファンを回さないと前と同様に60℃以上になってしまうようです。ファンを回すと効果抜群で、ヒーテッドベッドを120℃に設定しても、51℃(外側の測定点)、44℃(内側の測定点)で安定に維持できているようで、これで、ABS樹脂をプリントしても安心です。外側の測定点は、コルクのスペーサーが当たっているところで、空気が流れていないところなので条件としては厳しいポイントなのですが、それでも十分低温になりましたのでOKでしょう。

プリントを繰り返していく中で、紆余曲折あったファンの取り付け位置は、結局最初のような形に戻しました。ただし、キットに付いてきた取り付け部品だと、ファンの端がプリントベッドを留めているクリップなどにぶつかりそうなので、少し取り付け角度を変えた部品をプリントしてそちらに交換。

射出された樹脂は、速やかにファンで風を当てて冷却して固めないと、きれいな造形ができないようなのでこうなりました。冷却しないとノズルの先の温度ですでに固まった樹脂がまた柔らかくなってめくれあがったりしてしまうので、十分に冷却することが重要のようです。現在も、このめくれあがりの問題があってきれいにプリントができないデータがあるので、思案中。

DSCN1597

エクストルーダーの手前にちょこっと見えている部品は今テストをしようと考えているZ probe ですが、きちんと調整しておけば、そうそうプリンタのジオメトリが狂ったりしないようなので、要らないかも。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)