実体顕微鏡・LEDリングライトをつくる

実体顕微鏡ご存知ですか?

CNCでプリント基板を作ったりしているのですが、プリント基板に表面実装の部品を実装するのは、ある意味楽なのですが、部品が小さいのでちょっと苦労します。これまでは、裸眼で目視して、ピンセットで部品を押さえて半田づけ、念のためルーペでチェック。というような形で作業をしていたのですが、最近目の老化が始まったのか見るのがちょっと辛いです。

ということで、顕微鏡で基板を見ながら作業をすればいいんではないかということで、実体顕微鏡を導入してみました。とはいっても、あまり高価なものは買えませんので、ネットを調べてモノタロウのこちらを購入してみました。

値段の割に評判が良いですが、私も同様に思います。なんか、今までなんで買わなかったのかな!なんて思うほどいいです。両目で拡大立体視できるのがこれほど楽しいこととは・・・という感じ。

さて、いろいろな方がコメントされていますが、顕微鏡でちゃんと見るためにはやはり光源が必要。LEDライトを取り付けるだけでもいいと思うのですが、何となく凝ってみたい気がして、オリジナルのLEDリングライトを作ってみることにしました。

イメージとしては、お医者さんが手術室で使うライトみたいな感じで、対物レンズの回りから複数のLEDで対象物を照らしてやります。

基板は当然ですが、CNCで切削して作ります。手っ取り早く作るのであれば、IC基板などに実装するのが良いと思いますが、今回リングライトなので、CADで基板など切削ができるメリットがありました。

回路をEagle で設計。超いい加減な回路なので恥ずかしいですが、回路図は下の通り。
LED_microscope

電源は12VのACアダプターからとりますが、白色LED6灯を3灯ずつ30mAの定電流ダイオードで点灯させます。
それだけで十分な気がしたのですが、せっかくなので、明かりのON/OFF制御とDimmer制御ができるように、トランジスタをAVRマイコンでドライブさせるようにしました。スイッチは、タクトスイッチを使います。
今回ACアダプターを使っているので、消費電力の低減は特に気を使っておらず、マイコンの電源を78L05で作るという無神経なことをしています。

Eagleで基板を設計して、PCB G-code で切削用のGコードを生成、基板切削をします。
切削中の様子は、こちら

DSCN3253
切削が終わった基板。

リングライトなので、輪っかに切り出します。輪っかの内径は、51mm程度にしました。

こちらも、Eagle でmilling レイヤーに輪郭を描いてPCB G-codeで切削パスデータを作りましたが、どうもうまく表現できない部分(真ん中の円)があったので、自分でG-codeを編集しました。
DSCN3254

基板むき出しだとあれなので、3mm厚のアクリル板をかぶせることにして、同様に輪っかを切り出します。
DSCN3255
アクリルの切削を手抜きで0.8mmのエンドミルでPCBの切り出しに使ったのと同じコードでやろうとしたら見事にエンドミルを折ってしまいましたので、一度Gコードをdxfに変換して、JW_CADに読み込み、1/8″のエンドミル用の切削パスを複線機能を使って作成し、NCVCでGコード化して切削しました。

切削にあたっては、アクリル板の固定を最初適当にやったら、切削時にアクリル板が動いてしまいめちゃめちゃになってしまったため、両面テープで固定する作戦に変更して成功しました。

アクリル板の切削パラメターは試行錯誤しましたが、ミルの回転数はそれなりにあげないと(~12000rpm程度?)NGでした。また、アクリル板が割れると悲しいのでフィードも200mm/min程度の比較的ゆっくりした設定でやってみました。というわけで、1mmずつ彫り込んで3mm厚のアクリル板を無事切削完了。

DSCN3261
というわけで、基板に部品を実装して、アクリル板と組みつけたところ。

アクリル板とのスペースは3mmのナットでとっています。

DSCN3262
上から見たところ。

実体顕微鏡への取り付けは、顕微鏡本体に16mm間隔で2.6mmねじ穴があったのでこちらに3mm厚のアルミLアングルを使って取り付けました。穴あけしくじったりしているので、小汚いですが、目をつぶりましょう。
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取り付けた様子。

DSCN3263
対物レンズとの関係はこんな感じで、よさそう!

点灯してみた感じはこんな感じで、私的にはイケてますが・・・
DSCN3268

DSCN3269
どうでしょう?

明るさは、全点灯で十分でした。減光できるようにAVRマイコンのプログラムを書きましたが、減光機能ははっきり言って必要なかった。それに、プログラムを変更できるようにIn circuit programming 用のコネクタをつけておいたのですが、これもはっきり言って必要なかった。まあ、マイコン遊びを兼ねているので良しとしましょう。

DSCN3260
実体顕微鏡で、ICを見てみたところ。写真だとのっぺりしていますが、立体的に見えるので非常にいい感じです。実体顕微鏡、おすすめ!

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