ミニ旋盤 CNC化(4)

だいぶ前にミニ旋盤をCNC化していたのですが、X軸のモーターマウントを塩ビで作ったものの、強度足らなさすぎということで、この間、アルミをフライスして取り替えました。マウントの剛性が上がったため、モーターの音もしなくなってスムーズなX軸となりました。

ぼちぼち、このミニ旋盤でいろいろ遊んでみようと思ってやってます。

やり始めると、治具がいろいろ要るな、となり、また、治具や道具を作っているといろいろと不具合点も見えてきました。

現状、下記のようなことをやってます(自分のメモみたいなものです)。

a) バックラッシ測定、linuxcnc 設定をいじる。

旋盤の場合、一方向の切削になるので、特にバックラッシの補正を入れなくてもよいように思いますが、ダイアルゲージで測定をしてlinuxcnc の.iniファイルにBACKLASH=でそれぞれのバックラッシ量を入れて補正をかけてます。

私のは、Xが0.191 mm Zが0.524 mm でした。

もうちょっと機械の方でバックラッシを減らしたほうがいい気がします。

b) linuxcnc lathe macro 整備

cnc 化すると、手パでマニュアル的に操作はできますが、やっぱりちょっとした切削はやりにくくなる面もあります。なので、対話型で基本切削(外径、内径、端面、ねじ切り)ができるようにしました。といっても、こちらのスクリプトをlinuxcnc のディレクトリに入れてちょいちょいするだけですが。使い方とってもらくちん。

c) 心高ゲージをつくる

刃物の心高を確認する作業結構大変なので、心高ゲージを作りました。30mm 径の鉄材を心高の高さに削っただけです。こんな物でもかなり楽ちんになった。

d) 振れ止めなど

太めのパイプの外径切削をしてみようと思っていて、そのためには、振れ止めが必要だなと思って、65mm+の径の材料の振れ止めができるように作っているところです。最初に移動振れ止めを作ったけど、出来上がって試して、どちらかというと必要なのは固定振れ止めだとわかり、そちらも作っているところ。また、最初の材料は磨かれていないことも多いため、「鬼ブリョ」に相当するものも必要かな。ただ、セットねじを入れられるほど太くできないので、どうしたものかなと思い悩んでいるところ。あとは、大きめの傘型センタも必要だなあ。と、いろいろ調べるなかで、最近Youtubeの旋盤ビデオをいろいろ見ています。徳島の鉄工所のおっちゃん、という人のと、黒苺という人のを楽しく見ています。

今この瞬間は両センタ加工をやってみよう!とか思って、youtube のビデオを参考に「ケレ」を加工しているところ。ケレは、仕上がり外径86mm 内径 67mmぐらい、厚み15mmのリングを作るのですが、外径程度の四角板からリングを切り出すのは結構大変。材料はできるだけ外径に近くなるようにバンドソーで8角形にしたあと、4爪チャックでつかんで、まず外径を6mm 程度の厚み分、丸く削って、そのあとセンタ穴開けて11mm ドリル、そのあと中ぐりを直径52mm までしました(これ以上やるとチャックの爪に刃物が当たりそうなので)。この後は、裏返して、刃物がチャックを削ってしまわないように摑んで、心出しを内径でしたあと、外径を削り、最後に内径削りを仕上がりの直径までやろうかな、とか考えているところ。

e) 更なる改造の必要性?

内径削りは、整備したマクロを使って楽にやっているのですが、切削条件がわからず、ビビッてビビッてしょうがなく困ってました。また、途中でZ軸の送りが引っかかってそのあとの切削がでたらめになったりするようなことも起こったので、その対処もしなきゃね、というような感じでなかなかすんなりとはできませんね。

ビビりは、切り込み角をできるだけ大きくしたり、刃物を少し研いだり、送り量や切り込み量をいろいろ試したりしたんですが、基本的には変わらず、今のところ刃高を少し高くして切削をして、一番効果があったのは、筆でワークに切削油(ドリルペーストを使いました)を塗ることでした。今のところ、ビビりは解消できたのですが、切削条件は自信が持てない感じです(SS400 50m/min 0.1mm/rev 0.2mm 切り込み)この条件で径が大きくなってくると、回転数が低くて、この旋盤では力が足りない感じです。主軸のプーリーを交換するなどして低速対応しないとだめかなあ。ビビりが起きるのも、剛性不足、スピンドルの力不足で引っかかりができることがきっかけになっているっぽい。とりあえず、何とか切削ができていれば良しとします。ひょっとしたら刃物の研ぎが必要なのかも。

Z軸の送りが引っかかるのは、まったく理由がわかっていませんでしたが、切り子がZ軸のハンドル軸に詰まって固着することが原因っぽいので、カバーをつけようと思っているところです。黒苺さんのビデオで卓上旋盤の改造でこれをやっていて、なんで要るんだろ?って思ってたけど、実に必要な改造だった。

(6/21) 切り子ガードカバーを3Dプリンターで作って付けました。

隙間にグリスを埋めておきました。とりあえず快調に切削ができるようになったのでこれでよしとしました。

また、大径のワークをいろいろいじくると、普通に使うと刃物が全く届かず、刃物台を30~40度ほども傾けて刃物の位置をオフセットさせて使っていますが、CNC化されていますから、刃物台を傾ける必要性はあまり感じておらず、複式刃物台を取り去って、横送り台に直接刃物台をオフセットさせてつけられるようにしようかな、とか思っているところです。

f) 作ってみたいもの

youtubeの旋盤関係のビデオを見ていると、エンドミルをホルダーを作って旋盤で使ったり、刃物台にワークを固定して溝入れしたり、真似して自分でもやってみたいな、って思っています。道具の他には、水中ロボットの容器とか自分で作ってみたいなとか夢は広がりまくっているところ。

g) (6/21追加) 切削の限界について

SS400の切削では、切り込み量が小さいといつまでたっても終わりませんので、最速の設定を探してみまして、最終的には、送りを0.07mm/rev, 切り込みを0.5mm、切削速度をビビらない範囲で速くして(20m/min程度かな?)やってみました。

SS400 の内径切削が一応できたのに気をよくして、今度はS45Cの内径切削にトライ。

まず、センター穴開けて、16mm まではドリルで穴開けをします。そのあと、穴ぐりバイトは前と同様に心高を少し高めに設定、であけていきますが、切削速度はせいぜい17m/min 程度にする必要があるため、径が大きくなると回転数が手回しぐらいの速度になってしまい、今のプーリーでは100rpm 未満を力強く回せませんので、ここが限界になってしまうようです。切り込みは0.5mm 程度にしたうえで、送りは0.05 mm/rev は速すぎ、0.03mm/rev 程度にする必要がありますが、これより遅くしてしまうと、刃先が滑ってしまうので連続的な切削ができませんで、ビビらずなおかつ滑らず、モーターがしっかり主軸を回せる、というゾーンが直径45mm以上ではどうもなさそう。ということで、このあたりが限界ですね。手回しだったらもっとゆっくり回せるので、手回しして送りをもう少し速めにしてやれば切削はできそうですけどね(しんどすぎてやる気がしない)。

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