ELEGOO MARS 改造(改良?)と3Dプリンタ精度比較

昨日からELEGOO MARSのプリント結果が結構Z軸の方向に問題があるということに気がついてより、もう少しちゃんと出るようにしようということで、改良改造を行いました。

Z軸の出し始めの厚みがかっちり出ないという問題は、Z軸に遊びがあるとの分析結果に基づき、こちらのかたが実践されているように、モーター軸のベアリングを押さえているスプリングワッシャをさらに圧縮するスペーサーを入れ、遊びをなくすのと、ステッピングモーターへの取り付けを、ディフォルトのマウントを変形しないものに変更するよう変更を行いました。

私の場合は、スペーサー等はPrusa i3 mk3s を使いPETG 0.1mm/layer 100% infill の設定で印刷をしました。この厚みがかなりシビアということで、Prusa i3 mk3s の1st layer calibrationを何度か行い、出力したワッシャの1.1mmのところが1.1mmになるように調整をしました。

ELEGOO MARSのモーターを分解するには、まず、ビルドベースをELEGOO MARSのマニュアルコマンドで上にあげて外し、ビルドベースに内蔵されている親ねじの遊び取りのスプリングと押さえねじも外しました。そのうえで、後ろ側のカバーを6角穴付き*4を外して、外し、モーターの配線を外し、台座にモーターユニットを留めている2つの六角穴付きボルトを外して、斜めにボルトを傾けながら引き抜きました。これで最小限の分解でモーターをばらすことができました。

モーターユニットを外して中にプリントしたスペーサーを入れ、マウントをこちらもプリントしたスペーサー(緑)を介して固定するように変更したところ。

モーターユニットを元に戻した後の固定ですが、何も考えずにねじを締めると、スライドユニットの軸と、Z軸のねじの軸が合わない問題がでると考え、軽く留めた後、Z軸のねじが極力蛇行しないように固定しました。軸がずれていると、回転に合わせてZ軸の上端が円を描くので、そのブレが小さくなる場所をZ軸のねじ径に合ったベアリングを上端サポートとして使うなどしながら、探して固定しました。

手元にあったベアリングを上のプレートにクランプで仮止めして軸を出してみた。

上端のベアリングサポートは、あるとZ軸ねじが過拘束となるようにも思え、悩みますが後でベアリング上端サポートを取り付けて比較してみようと思います。

思うに、モーターの取り付けがゴムマウントになっているのは、この軸だしをする必要をなくすためだと思います。やはり本来は台座のところに接触角ベアリングなどを使うなどして、かっちりとした軸・原点が設定してあって、そこへカップリングなど使ってモーター駆動をするべきでしょうね。

上のプレートはぎりぎりZ軸ねじと擦れますのではずしました。

上端のベアリングサポートはとりあえず取り付けずに、Z軸の高さを調べるためのテストピースを印刷して成果を確かめます。

ちょっとした興味で同じテストピースを3つの3Dプリンタ Prusa i3 mk3s (緑)、ELEGOO MARS改(赤)、Phrozen Sonic Mini(水色)で出力してみました。

見栄えは、改造したELEGOO MARSが一番いい感じです。Phrozen Sonic Miniは1st layer の露光時間が長すぎるのか?最初が膨れてしまっています。

出力の目的は、精度を確認することなので、ノギスで測定して結果を比較してみます。その結果が下の通りで、光造形の2式はどちらも最初のレイヤーがちょっと厚めに出ていることがわかります。最初のlayerの厚みが最も誤差が少ないのはFDMのPrusa i3 mk3s でした(調整かっちりやったから、というのもありますが)。

厚みが厚くなってきたときに、Prusa i3 mk3sはちょっと長さの比率が長めに出る傾向がありましたが、その理由については、ちゃんと調べられていません。光造形に関しては、厚みが出るとちょっと短めに出る傾向があるようですが、これはZ軸が少し傾いているのでしょうか?ELEGOO MARS改の場合10mm で-0.2mmの変化なので、2%程度。軸の傾きとするのには無理があり、樹脂の収縮が関係しているのかなと思いました。それぞれいいところ悪いところが出る結果となりましたが、総体的にELEGOO MARS改はなかなかの精度が出るようにはなりました。

ただし、X,Y軸方向の誤差も同じテストピースで測ると、Prusa i3 mk3sは10mm が10mm で出ているのに対し、ELEGOO MARS改は10.18mm Phrozen Sonic mini は9.9mm とずれがありました。長手方向ですと、Prusa i3 mk3s は30mm のところが30.12mm ELEGOO MARS 改が30.45mm Phrozen Soic miniが29.82mmとなりました。と

いうわけで、XY軸方向については、ELEGOO MARS改が1.5%程度長め、Phrozen Sonic miniが1%程度短めに出るということで、こちらも要検討と思いました。光造形はdetail はかなりきれいに出ますが、精度についてはなかなか難しいものだな、と感じました。

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