米国出張にて

この間、カリフォルニアのとあるところに出張をしました。

先方とは何度か往来があるお知り合いの関係で、今回の出張は、

「1月から2月は娘の中学受験があるから、その時期の訪問はちょっと無理で、3月あたりがいいかな」

と相談していましたし、

「中学受験対応無事終わったよ」

なんてメールをしていたので、ランチやディナーの時には、中学受験・大学受験がらみの話にもなりました。

5年生から2年間通塾して中学受験の準備をしたことを話したら、ちょっと驚かれました。

米国でももちろん中学高校は、上から下まであり、トップ25大学に入学する割合の高さなどから、地域トップ校とみなされる学校が固定的にあるようです。そして、そのほとんどは、私立の学校だそうです。そういったトップ校を目指す家庭は当然あって、そういった家庭の子は準備のために小学校6年生の時には、準備クラスに通うとのことでしたが、日本のように、家庭によっては低学年から塾に通うというようなことはない、とおっしゃってました。

そういった私立の学校ですが、当然学費は結構するみたいで、先方も子供を私立にやったそうですが、学費が毎年、「カムリ一台分」(=300万+?)かかると言ってました。まあ、米国はここのところ、不動産価格もめちゃ上昇、いろいろなコストが上昇しているので、それと比べるとまあしょうがないレベルかもしれませんが、日本と比べると2~3倍ということで、結構お金がかかるな、と思います。

この費用の違いは、国などの補助金額の日米の違いにあるのか?と思って、調べてみたんですが、日本では私学への補助金は10%程度だと思いますので、これほどの学費の違いが何に因るのかよくわかりませんでした。

当然そういった地域トップ中学高校に入る子は、大学にも行くので、大学のアドミッションについての話にもなりました。

ちょうど日本では国立大学の入試が終わったタイミングだったので、

「日本では、2日間の入試のペーパーテストだけで、アドミッションが決まる。高校からの書類は、高校課程修了見込みの証明でしかないんだ。」(ごめんなさいセンター入試は配点が低いので無視しました)

という話をしたら、これもまた驚きの目。

「そのとき調子が悪かったらどうすんだ?」

という話があったので、

「そりゃ、だめでしょ。だから、中学受験もそうだけど、体調を崩さないようにめちゃ気をつける。この時期インフルエンザとか流行るから、結構大変。」

「でも、逆に2日間だけパフォーマンスを出せばよいから、楽とも言える。自分は、6年間優秀な成績を継続的にとる、なんて真面目なことは到底できないから、この日本の入試制度に助けられたと思う」

などという話をしました。

米国は、共通学力テストもありますが、学校でのパフォーマンスも評価の対象で、その上で、essayの内容が重要だ、という仕組みなので、大変だ、と思います。日本でも、近年はAOとかの制度でこれを真似していると思いますが、日本の場合、AO入試が大学の定員確保策に堕しているので、これはだめだ、と思います。AO入試で入学することが悪いとは思いませんが、同じ学校で比べるとAO入試で入った人の方が学力に劣る傾向にあるのは、当然のことだと思います。

米国トップ25大学という表現を先方がされていたので、興味を持って調べてみましたが、日本ですと、東大・京大・一橋・東工大、早稲田・慶應というように学部関係なく学校の名前でヒエラルキーがあるような見方がされますが、米国の大学評価は、様々な視点でのランキングが発表されていて面白い。私は大学は理系出身ですので、STEM(=Science, Technology, Engineering and Mathematics)大学ランキングに目が行きます。

出張でYaleやら、Princetonなど、いろいろな大学を訪問したことがありますが、やっぱり米国トップ大学は素晴らしい環境。

米国の大学は学費が高いので知られています。確かに、私立大学は年間400万~ということで、非常に高いですが、親の収入に応じて学費が変わる制度を持っている大学もあるし、州立大学などは、その州出身の学生は学費が安めに設定してたりすることもあるので、親の収入がそれほどでもなく、でも「出来る子」が勉学を一生懸命するのには、必ず道が開けているようになっているのではないか?と思います。

また、そういったトップ大学を出た人たちは、卒業後のサラリーが日本と比べると非常に高い職に就く場合が多いので、そういった道を選ぶ人にとっては学費はペイバックするからあんまり関係ないでしょう。まあ、収入が取れる分野に行かないといけないプレッシャーは日本よりあると思いますし、失敗した人に冷たい制度とも言えます。

最近、日本から海外の大学に学部から行く人も増えているようですが、海外からの入学者にそのような学費減免制度はあまりないように思うのですが、どうなんだろう。まあ、我が娘は家庭の収支の問題から、国内の大学で、できれば学費の安めな国立大学で、でも「しっかり好きなことを」学んでくれたらいいな、と思います。あんまり、この分野だと卒業後の給与が多いからこっち、みたいな貧乏臭い考え方はしてほしくないな、と思う。

そんなことを日米入試事情比較からつらつらと考えました。

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