フーコーテストデータ処理

フーコーテストに相変わらずはまっちゃってます。

テストをする装置の制御プログラムを改良して、測りながらゾーンごとのナイフ位置の推定をして、グラフに書き出して眺められるようにしてみました。測定プログラムは、あらかじめ指定した回数繰り返し測定を行うこともできるようにしました。設定してrunすると、ひたすらステッピングモーターを動かして計測を行ってくれます。

FT-20160309_2354-0012

上は、プログラムの確認ということで、私の持っているKenko SE200Nの主鏡(D=200mm FL=1000mm F/5) を計測してみたものです。結構まともなミラーでびっくりしました(青い線がパラボラの時に期待されるナイフ位置で、中心部はNGですが、周辺部はばっちり。中心部は斜鏡でおおわれるからパラボラにしいなくてもよいという割り切りで整形されているのかもしれず、なかなかのコスト管理が行われているのかも?と思わせる内容でした。

これだけ、まともな結果だと、この鏡の波面収差の量を評価してみたくなります。ということで、ナイフ位置と球面収差の量の関係、それから、放物面の収差量の関係はあちらこちらに書いてあるのですが、これを波面収差に換算する式を、いろいろ調べてみたのですが書かれている記事がなかなか見つかりません。

ということで、こちら も参考にしながら、考えてみました。

忘れないうちにエッセンスを書いておこうと思います。

鏡収差計算式_2

この考え方に基づき、先ほどの鏡面の波面収差を計算してみたのが下のとおりで、PVでおおよそλ/7.3 程度、RMS=λ/29.5程度になりました(ほんとかな?)。中心部の評価が十分にできていないので甘目ですが。40%より外側のゾーンが結構良好なので、もったいない気がします(中央をもっと遮蔽すればいいのかもしれませんが、そうすると回折の影響が大きく出てくると思われる)。

波面誤差200mmF5

鏡面研磨(2016/3/1)

ひどい研磨痕を作ってしまったので、均す研磨をしてみました。また、フーコーテスターのゾーンテストのデータ処理をするプログラムを書きました。

FT

これが、30分ほど研磨をやり直した結果。ピッチ盤は30℃ほどに鏡面を温めて少しピッチ盤を馴染ませた後に研磨を行いました。最初は引っかかる感じがありましたが、10分ほど研磨すると引っかかりが取れてスムーズに動かせるようになりました。盤の研磨方向も15分程度をめどに方向を変えて様子をみました。

研磨痕は取り切れていませんが、多少ましになりました。リングはまだ残っています。

ゾーンテストの結果は、各ゾーンについてのナイフ位置に対する右側左側の輝度差が下のようになり、ここから、輝度差が0となるナイフ位置を推定しました。

Foucault_KnifePos_0

ナイフ位置(収差)を5回分のゾーン測定結果について、放物面の収差と比較して示すと下のようになりました。(昨日までのプロットは、放物面の収差量の計算が間違って4倍になってました。。。)

FoucaultZone

リングがゾーンテストの結果にも見えているのと、目立ったターンダウンがでています。

5回目の測定結果(水色)がずれているのは、おそらく、4回目の後しばらく経ったため鏡面の温度変化があったため?かな?

鏡周部のゾーンテスト結果にみるターンダウンは、ひょっとすると鏡面のゾーンテストのやり方に問題があった可能性もあるかも(ナイフ位置と輝度の変化の仕方が他のゾーンとことなるので)。

鏡面研磨(2016/2/29)

フーコーテストができるようになったので、ピッチ盤を引っ張り出してきて鏡面研磨をしました。

まず、かなり長い間放置したピッチ盤が馴染むか不明だったので、そこを目指して。

まず、鏡にハンドルを取り付けます。前に木の棒をピッチでつけていましたが、2回連続で剥がれてしまいましたので、今回は、デルリンとアクリル板を使って樹脂のハンドルを旋盤で作りました。これを両面テープで鏡に貼りました。

2016-02-29 18.38.15

ちゃんとついているか不安だったので、上から10kgの錘を乗せて密着を図りました。

2016-02-29 18.46.27

ハンドルを貼ったら、お湯(50-60℃に調整)に鏡を浸し、鏡を暖かくしておいて、ピッチ盤の上にクッキングシートを挟んで乗せ、10kgの錘をさっきと同じように乗せました。

10分程度押し付けて、なじませたつもり。

が、やりすぎたようでピッチが境界でへこんじゃいました(涙)。とりあえず見なかったことにして研磨液(セリウム)を少量つけて研磨開始。

両面テープで取り付けたハンドルは、お湯にも耐えてちゃんとついています。

2016-03-01 00.24.27

これがわが家の研磨環境。研磨台はスツールの下を木で固定して用意しましたが、スツールの座面が折り畳み式のため、結構がたがたするのでいまいち。

(温度計が水没しているのに写真を撮った後、気が付いた。やべー。)

研磨はかなり引っかかりがあり、スムーズな研磨運動が難しい。

30分ほど磨いてフーコーテスターにかけてみたところ、深い穴はなくなっているようだったが、鏡面に焼けができていて、洗っても取れない。

しょうがないので、研磨液を少し濃い目につけて、軽く数分研磨をしたところ何とか焼けはなくなったが、研磨痕だらけというひどい状況だということがわかった。

FT-20160229_2312-0014

ポン・デ・リングじゃー!(涙)おそらく引っかかりがひどくて回転運動がちゃんと行えなかったため。

ゾーンテストの結果は、球面と放物面の間あたりだが。。。。前途多難ですね。

20160229_zone

フーコーテストの結果は4回測定してほぼどれも同じ結果が得られているので、よしよし。。。