3Dプリンタ 2号機 構想

いろいろ出力して遊んでいますが、やはり現在のプリンタの能力に限界を感じていることもあり、2号機を作りたくなりました。

当初、CNCルーターにエクストルーダーを取り付け3Dプリンタにしようと思っていましたが、ボールねじ駆動では速度に限界があること、また、造形物の高さの制約が結構大きい(60mm程度がせいぜい)ことから、この計画は破棄して、別のを作ることにしたいと思います。

現在使用しているデルタ型プリンタの不満点としては、

・メカのガタが減ったとはいえ大きい。

大きな動きをする軸が3軸になるので、普通のプリンタのように2軸だけ激しく動くのより厳しい構造が要求されるのでは?と思います。

・速度を速く動作させるためには、ホットエンド部分の重量を小さくする必要があり、ダイレクトタイプのエクストルーダーを取り付けるのは困難。

・プリントできる範囲がプリンタの大きさの割にあまり大きくない。

デルタのよいと思っているところは、

・造形物が動かない。

これは難しいところですが、造形物を振動する場にさらすのは精度の上に限界があるのでは?と感じています(どうなんでしょ?)

・調整が楽

ベッドの水平垂直の調整が一度合わせたらほとんどし直す必要がないという実感で、オートレベルなどの機構は実質要らない感じです。これは3軸が対称的なのが効いているのかも。

これらを踏まえて2号機は、

・造形物が大きく動かない機構を持つ。

・それなりに大きな造形物を比較的はやい速度で出力できる

・それなりにしっかりした構造を持ち、あれこれ調整の必要のないこと。

・シンプルかつ、スケーラブルなこと。

・改造をしようとしたときにできるだけ他の部品を外さずに変更ができること。

・お値段も手ごろ(に作れる)。

という観点でモデルを探しました。

最初、Prusa i3 あたりを考えていたのですが、上の条件にかなり当てはまっていると思われる、Corecube SAKURA rev.3をベースに作ろうかなと思い、部品を収集、プリント部品をせっせと出力しているところです。

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3Dプリンタで3Dプリンタの部品を作成中!

部品は、中華にあれだけ苦しめられたものの相変わらず中華からある程度収集していますが、monotaro も納期が早いので金物を中心にこちらから購入して集めています。

できれば部品代で4万を切るぐらいで作りたいなと思っているところです(中華頼み。。。)

3Dプリンタ フィラメントあれこれ

3Dプリンタの樹脂フィラメントもあれこれありますが、ものによってかなり特性、そして品質が違うようです。

これまでいくつかの発売元からPLAとABSのフィラメントを購入して使ってみた感想を下記に。

1. GENKEI 販売 PLA 白

最初に購入したフィラメント。値段はそれなりですが、ちゃんと出力できていましたので良いものだと思います。190℃程度に設定

2. サインスマート販売 ABS 夜光色 水色

ABSのプリントをやろうと思ってamazonから購入。 結構ダマができます。また、反りも多め。230℃の設定

ヒーテッドベッドを使って100℃程度にベッドを温めましたが、反りが出てしまいますので、さらにプリントデータにbrimをつけたりしないとある程度の大きさ以上のものはプリントが難しいです。

3. サインスマート販売 PLA 白

多少つまり易いのですが、普通にプリントできます。 193℃の設定が私のプリントではベストマッチ。

問題があるとすると、スプールへのフィラメントの巻きが雑で、絡まってしまうことがありますので、ある程度の大きさのもののプリントの前に一度フィラメントを巻きだして巻きなおしておく必要がありました(結構面倒)。

4. aliexpress で販売されている激安 中華ABSフィラメント 黒・橙 確か1kgで10ドル程度だったと思う。

まだ、黒しか使っていませんがこれひどいです。

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フィラメントの太さがとんでもなく太いところがあったり、また届いた段階でスプールが壊れていたため、アルミテープで貼って補修が必要でした。また、水分を含んでしまっているのか、プリント物がぶつぶつ泡を吹いたようになり、強度も出にくいです。層の間の接着が弱く、パイプをプリントしたら、ぽきぽき折れちゃいました。いくら安くてもこれじゃあだめだね。

これも巻きが雑。

5. Polyplus PLA 透明黄色 

amazon でpolymakrのPLAの扱いがありますので、使ってみました。

透明色のせいか、190℃ぐらいの設定では温度が低すぎるようで射出が十分な速さでできませんでした。215℃程度まで上げると安定して射出できるようになりましたが、温度が高めなので糸を引きやすいです。

6. 3D creators  ABS 緑

クリーム色も含め、amazon で3D creators のフィラメントを買ってみました。

普通にプリントできますが、ダマが多少出ます。それと、サインスマートのABSほどは反りが出ないのですが、層の間が剥がれかけたような感じになることがあるようです。とりあえず出力できるという意味では反るよりは良いのですが、もう少し工夫が必要かな。。。

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違うフィラメントで今作ろうとしている3Dプリンタの部品を出力してみました。

上段、左の黒いのが激安中華ABS 右の緑が3D creators のABS

下段、左の白いのがサインスマートPLA 右が polymakr polyplus PLA translucent yellow

今のところ、NGといえるのは、aliexpress から買った激安中華だけで、他のはまあ、工夫次第でそれなりに使えるのではないでしょうか。

激安中華のフィラメント2kgの処分に困ってます。

 

3Dプリンタ ホットエンドのトラブル

私の使っている3Dプリンタは、中華の激安デルタ型プリンターのキット(Rostock mini pro)を組み立て、自分で改良を施してなんとか印刷できるようになっているものですが、やはり元の出身が中華激安なので、いろいろと問題も出てきます。

トラブルの一つに、ホットエンドから樹脂が射出されなくて詰まってしまうというものがあります。

私のプリンタのホットエンドは「J-head」というものですが、中華なので(?)オリジナルのJ-headではなく、コピー(というか、類似品というか・・・)です。そのためか、ホットエンドの構造と作りに問題があり、樹脂が詰まりやすいです。

今回、とうとう何をプリントしようとしてもすぐ詰まってしまうようになったので、意を決して修理しようと、ホットエンドをばらしてみました。

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写真は、トラぶったホットエンドをばらしたところです。(シールテープは後から巻いたものでもともとは巻かれていませんでした)。

問題はいくつかあり、

1. 先端のアルミ部品とPEEK樹脂の部材の間の接続のところから、溶けた樹脂が漏れてくる。

これは特にABSを使ってhotend の温度を230℃にしているときになりやすいです。たぶん、このJ-headのつくりが、内部に挿入されいるPTFE管と差し込んでいるアルミのネジとの間がシールされるような構造になっていないのだと思います。また、アルミのネジの部分が樹脂が溶けるほど温度が上がってしまうのも問題の原因でしょう。

この問題は、アルミのネジにシールテープを巻くことで漏れを防げないかな?と思っています。

2. フィラメントが楽にアルミの溶かす部分まで差し込めず引っかかってしまう。

これはPTFE管に開いている2mmの孔とアルミネジ部分にあけられた2mmの孔の心がずれているためつなぎ目で段差ができていて、フィラメントが引っかかってしまうようです。加工精度があまりよくないのですね。

これは、アルミのネジをPEEK材にねじ込むときにPTFE管の中心との関係をフィラメントを差し込みながらチェックして、芯を出した状態に組み立てることにしました。

3. 溶けた樹脂が先端部品にまとわりつきやすい。

これは、まあ、しょうがないのかもしれませんが、修理に際して、テフロンコーティングをしてみることにしました。

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monotaroで売ってる低温焼き付け可能なフッ素コーティング剤。

ノズル部分にスプレーして乾かした後オーブンで220℃程度にして25分程度ベーキングしてみました。

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パンを焼いたりしているオーブンでフッ素加工は嫌なので、実験室用にアイリスオーヤマのオーブンを購入。。。

直火だとテフロンの耐熱を超えちゃうとやだなと思ったので、ホイル焼きにしてみました。

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ベーキング完了。汚れの除去が十分じゃなかったかも。

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シールテープを巻いて

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PEEK部材にねじ込んで

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ヒーターとサーミスターをもとに戻して、カプトンテープを巻いて修理完了?

実は、ホットエンドがない状態ではプリントできないので、ほとんど同じ内容のJ-head ホットエンド(これも模造品)をサインスマートから買って付け直しているので、このなおしたホットエンドはまだ試していません。サインスマートから買ったホットエンドも全く同じ症状を示しているので、こちらもそのうち詰まって射出できなくなりそう。

そうこうしているうちに、ホットエンド詰まり不安症を発症して、いろいろなホットエンドを買いあさってしまいました。

これだけ中華で苦しんでいるのになぜかまた中華の謎ホットエンドを購入(ビョーキだ。。。)。

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E3DホットエンドとJ-headの合いの子みたいな謎の中華ホットエンド。2個セットで40ドル弱の安さ。

中華三昧じゃあ、ダメだ。男たるもの、いいものも知っておかなければということで、エゲレス製のE3Dのホットエンドも買いました。こちらは、これまで買った中華のホットエンドを全部合わせてもお釣りが来そうなほど高価です。きっと、素晴らしいに違いない。。。

今のホットエンドがまた詰まったら順番に試してみようと思います。配線やり直すのがめんどくさいので。。。