鏡面研磨 鏡の型どり

ピッチピースを作成しましたら、次は、盤ガラスに作成したピッチピースを貼りつけて、鏡と曲率のあったピッチ盤を作成する作業です。

あらかじめ盤ガラスにどのようにピッチピースを配置するか作図したものを作っておきました。溝は4mm幅で、盤の中心に対して少しピースをずらすように配置します。

盤ガラスについていた、前のピッチはあらかじめ除去しておきます。盤ガラスを冷凍庫で冷やしておくと、お好み焼きのコテで鉄板を掃除するのと同じ要領で簡単にピッチは除去できます。取り除いたピッチをそのままにしておくと常温になって柔らかくなったピッチは厄介なので、早めに袋に入れて回収します。

盤ガラスにピッチを乗せても簡単には付きませんので、シンナーで溶かしたピッチを塗っておきます。これをピッチの接着剤にします。

ピッチを薄めた液を盤ガラスに塗ると、すぐにガラスの片側に液が移動してしまいました。机が傾いているためですね。

下に敷いた作図を見ながらピッチピースを配置しました。ピッチピースの厚みが均等でないので後で苦労しそうですが、この夏一番の暑さで作業場所が冷房を効かせても結構暑いので、今のことだけ考えて、とにかく並べました。

ピッチ盤で研磨を行うためには、鏡との面合わせ・型合わせが必要です。クッキングシートをピッチ盤と鏡の間に挟んで、鏡の上に10kgの錘を乗せて、型合わせをしました。

鏡と面が合ったら、クッキングシートにくっきりとピッチピースが見えるようになるので、そうなったら、面合わせ終了で、周囲にはみ出したピッチを切り取って除去したら、セリウム液を入れて研磨開始できます。。。が、やっぱりピッチピースの厚みが不均等だったことが災いして、結構な時間合わせていますが、まだ面合わせできていません。ひょっとしたら少し鏡の温度を上げて面合わせを加速してやらないといけないかも。とりあえず明日の朝までこの状態で面合わせしておこうと思います。

鏡面研磨 ピッチピースを作る

長らく、乙女高原観望会での鏡面研磨やっているんですが、最近は、娘の受験塾のこともあり、あまり行くチャンスがなくて、お休み状態に近いものがあります。

この夏休みも、7月の乙女高原観望会は参加(でも雨!)できましたが、8月は、出張予定とかぶっていてだめでした。

娘の塾のサポートを母親と交代でやる関係で夏休みを今週まとめてとっているので、「家で」鏡面研磨をこの際進めようと思いました(できるかな。。。?)

まず、家の環境は、鏡面研磨(ピッチ研磨)をやるにはちょっと温度が高めで、乙女高原の環境で作ったピッチ盤はNGです。

そこで、ピッチ研磨用のピースを家用に作ります。今日のためにあらかじめ道具をいくつかそろえておいたのと、事前作業をいくつかしておきました。

・ピッチ は、Gugolz #64 の光学研磨用ピッチを1kg購入しました。これは柔らかい仕様なので、松脂で固く調合する必要があります。

・松脂も1kg調達しておきました。どちらもamazonで。

・ピッチを調合するには、溶かさないといけませんが、そのため、蓋つき鍋をdaiso で、それから、いろいろと調理用具もdaisoで調達。

・溶かすために、ガスコンロではアレなので、電気コンロを買いました。ピッチ溶かし専用になっちゃうと思います。あ、でも他に美術工作とかいろいろ使い道はあるかもしれませんが。

大事なのが、ピッチピースの型をつくることです。ピッチピースの型は、今回ピースを3Dプリンターで造形(厚さ3mm 20x20mmの板を44枚)して、それを、ガラス板に並べ、離型剤を塗って、ガラス板の周りに油粘土で土手を作ったうえで、シリコーンゴムを流し込み、型を作りました(下のような感じ)。シリコーンゴムを混ぜるのに結構苦労して、3回に分けて流し込んだら少し表面がでこぼこになっちゃったので、一気に流し込めるように準備した方が良かった。

型が用意できたら、ピッチと松脂を調合します。今回、25℃~28℃の環境で研磨することを念頭に、重量比でピッチ4 松脂6の割合で調合しました。ピッチ(#64)を190g と松脂285gを秤り、鍋で溶かしました。ピッチはなかなか厄介な代物で、はじめ容器から取り出す方法がわからず、写真のように包装を剥いて、割って取り出しましたが、いい方法があるのかもしれない。でも、この写真のまま放置していたら、じわじわピッチが流れ始めた(?)ので、慌てて紙を巻いて流れちゃわないようにした(つもり)。

ピッチは、熱伝導性が悪く、しかも、粘性も高いので、溶かすのが結構大変です。

鍋に接したところが溶けてきたら、割りばしで攪拌して、できるだけ早くまだ溶けていないところに熱が伝わるようにしてみました。溶けた状態と粘った状態ではかなり粘性が違います。

均一に溶かしたところで、一度、コンロをOFFにして、冷まして、針入度(固さみたいなもの)の測定をしました。1mm の針に200gの錘をつけて、1分間冷えたピッチに置いたところ、0.5-1mm弱凹みましたので、針入度は5-10程度、一応問題ない?固さに調合できたことにします。

上記は、星野次郎さんの「反射望遠鏡の作り方」の記述に従ったものです。

JIS K2207の針入度の定義を見ると規定の針が試料中に垂直に進入した長さの0.1mmを 1 として表す。とあります。荷重は100gでテストの時間は5秒とのこと。針の形状がJIS便覧にあるはずなのですが、手元にJISの便覧にないので不明です。

また、木辺さんの「反射望遠鏡の作り方」を見たのですが、それでは、針入度に対応させた記述はなく、爪の型がつくのがよい、とか、少し曲がって折れるのがよい、という程度の記述。

また、星野さんの本によると、松脂を8割も入れてしまうと、ピッチが割れやすくなってNGなので、そのような温度下では作業ができないともあります。つまり夏の研磨は空調が効いた部屋でやらないとNGということでしょう。

次に、もう一度コンロにかけて完全に溶かし、今度は型どりをしました。

一応はみ出しても受けられるようにダイソーのステンレスバットの上に型を置いて、ここに溶けたピッチを流し込みました。

流し込みは何度かやったけど、いい道具がないと結構難しく、次回からは注入用のじょうろ状の金具を鍋に取り付けたい感じ。温度が下がるとすぐに流れなくなっちゃうし、温度が高い段階ではめちゃくちゃ流れやすいので、イライラします。

型を溢れたピッチは、クッキングシートを乗せて、板でセメントを均すのと同じ要領で均して型の厚みに近い厚さに仕上げようとしました。

実は、これは2回目で、1回目は、クッキングシートを挟まずいきなりアルミ板を乗せて圧迫したら、ピッチは全部アルミ板にくっついてしまうし、あふれたピッチが型の上に残っちゃっていて、全然だめでした。全部やり直しでした。

その反省に基づいて、2回目はまあまあの出来、失敗したときのために2回目と合わせて2回分のピッチピース(88枚)を作成しました。

型からはみ出たピッチが残っていますが、毛抜きなどでピッチピースから取り除くとよいと思います。

そんな感じで、明日は、盤にこのピッチピースを貼りつけ、鏡で型どりして研磨まで行きたいと思います。

 

 

鏡面測定 干渉計/フーコーテスト比較

Bath interferometer を作成し、鏡面の干渉計による測定ができるようになると、これまで使っていたフーコーテストの結果と比較をしたくなります。

あれこれと、テストを繰り返すなかで、干渉計も改良というか、ちゃんとデータをとれるように整備をしました。

(1) USBカメラのレンズは、今まで6-60mmのズームレンズを使っていましたが、このレンズはめちゃめちゃケラレることが分かったので、F5の鏡面あたりまでを検査することを視野に、f=16mmのCSマウントレンズをamazon で調達(翌日配達万歳!クロネコヤマトの皆さまお疲れ様です!)、カメラのテスターへの固定方法も、試行錯誤した結果、クリップで留める形に変更。

(2) 先に製作した干渉計では拡散用のレンズにf=15mmのレンズを使っていましたが、F5の鏡には拡散が足りないことが分かったため、f=4mmのレンズに交換。このレンズは直径も8mmとまえより少し小さいので、そこのところも多少改良要因。

(3) レーザーの入り切りのトグルスイッチを留めないで使っていたら、配線が折れたので、L金具でテスターに固定。

磨き途中の鏡(15cm F8)について、Bath interferometer とフーコーテスターによる波面誤差(W) の比較をしてみました。

フーコーテスターによる波面誤差は

こんな感じで、PVで550nm (緑)で1.2波長程度波面誤差がある結果(大きすぎて星を見れる状態ではない)。

今回作ったBath interferometerの結果

結構あってますね。よかった!

最初にこれ書いたとき、

(振幅が結構違うのが気になります。フーコーテスターの結果から波面誤差を出す式が間違ってる?形はよくあっているのですが。。。なやましい。)

って書いたのですが、干渉計のデータ処理をするソフト(OpenFringe)の設定が間違っていたためと判明。

 

…. ということで市販の鏡(15cm F5)も両方で検査してみました。

カメラのレンズを焦点距離の短いものに変えたので、F=5の鏡でも鏡全体のきれいな干渉縞を得ることができました。

干渉計の結果

ちょっと難しいところですが、0.1波長以内ぐらい(detailは議論難しいです)。

フーコーテスターの結果

真ん中はともかくとして、主だったところは0.1 波長以内ぐらいですかね。市販の鏡(といっても私のは中華のばっかりですが)はたいてい真ん中は斜鏡の影なので、ちゃんと整形されていません。手で磨いていても真ん中をちゃんと整形するのは難しそうなので、まあ当然というところ。

真ん中が干渉計の結果と違っているのですが、フーコーテスターでは真ん中の波面誤差をきっちり出すのは至難なので見ないようにしています。

ちなみに、この鏡、干渉計の結果の全体はこんな感じで、

ちょうど光軸調整用の金具が張り付けられている(120°ごと)ところに変形が見られます。ひょっとすると、金具があるために温度変化になじむ速さが場所によって違っているためかもしれませんが・・・

波面誤差を定量的に分析するのは結構大変ですが、どちらも同じ結果を基本的には出せることが分かってほっとしました。

 

 

 

干渉計による鏡面測定

反射望遠鏡の鏡面研磨 遅々として進んでません。フーコーテスター作ったり、どちらかというと、鏡面測定マニアと化してきています。少し前に、youtube を見ていたら、アマチュアの天体望遠鏡作りをしている人たちのなかで、磨いている鏡面の評価を「干渉計」でやっている人たちがいることに気が付いて、鏡面測定マニアとして、私も同じことやってみたいと思ってしまい、泥沼に輪をかけることになってしまいました。

構想だけはずいぶん前から温めていたのですが、やる時間が取れず、GWで少しだけ余裕があるので、思い切って干渉計を作りました。

製作したのは、Bath interferometer という、基準鏡面の要らないタイプの干渉計です。マイケルソン干渉計などは、基準鏡面からの反射光と検査鏡面からの反射光を干渉させるので、基準面が必要になりますが、これ(Bath)は、レーザー光を、鏡面全体に同位相の光を当てるパスと、鏡面のどこか1点に光を当てるパスに分け、それぞれの鏡面からの反射光を干渉させるという方法で、基準面を要らなくしています。アマチュアにぴったり、の方法ですね。

参考にしたのは、こちらのpdfとか、こちらの検索で出てくるページとか、どれも素晴らしいですが、自分なりに咀嚼して、干渉計の図面を書いて、部品を3Dプリンタ、フライスなども使いながら加工して組み立てました。

材料と作り方。

秋月レーザーモジュール(500円) 3V電池ボックス、スイッチなど:レーザー光源です。光の向きを1.5°程度の範囲で調節できるような台座を3Dプリンタで製作して搭載。

無偏光ビームスプリッター(10mm角), 表面平面鏡 (13mm角), 焦点距離15mm 直径10mm レンズ:いわゆる干渉光学系です。ビームスプリッターは、小さいものの方がよく、なるべく隅っこを使うようにするのがよいとのこと。レンズは、レーザー光で鏡面全体を照射するために使いますが、15cm F8などでは、もっと長い焦点距離のレンズを使ってもよさそう。Fが小さかったり、鏡面が大きい場合には、レーザー光を大きく広げる必要があるので、焦点距離の短いレンズを使う必要があります。レンズの直径は、反射光と被らないようにできるだけ小さなレンズの方がよいです。6mmとかが使えたらその方がよさそう。

ビームスプリッター(BS)などの光学部品はSurplus shed で買うのが安いようですが、ちょうど売り切れのタイミングだったので、仕方なくBSはebayで見つけて買いました。レンズと平面鏡はSurplus shed で買いました。

ビームスプリッターは、方位角を調節できるようにする必要があるとのことで、Ed Jonesさんのビデオを真似して、秋月の10mm角ブロックに光硬化接着剤(Amazonとかで買えます)を使って接着。3mmねじを軸受にしました。ミラーは、方位角、伏角両方調節できる必要があるとのことで、ミラーマウントを設計して、3Dプリンタで製作し、両面テープでミラーを張り付けました。結構いいものができました。

レンズは、最初に光軸調整をするのに、レンズが外せると便利だなと思ったので、LアングルにレンズマウントをCNCフライスで作り、レンズをはめ込みBSと同じく接着剤で固定しましたが、Ed Jonesさんのビデオにあるように、最初からBSに張り付けても問題ないかも。とはいえ、一度張り付けたらやり直しがきかないので、私には無理、と思いました。

カメラ:これは先日Cマウント化した、Webカメラを光軸が合うように台座に取り付けました。それなりに望遠のレンズをつけて使う必要がありそうなので、Webカメラそのままでは難しそうです。スマホ望遠とかでも行けるような気がしますが試していません。

移動テーブル:これはフーコーテスター用のをX,Y軸に使い、Z軸のは安い中国製のを買いました。反射光をうまく干渉ポイントに導く必要があるので、それなりに微調できる必要はありそうですが、とりあえず手でも干渉させることはできたので、あまりナーバスになる必要はないかも。

テスト。

そんなこんなで、出来上がり、テスト風景がこれ(XYテーブルにはまだ搭載させていません)。

缶の上にカメラと干渉計・光源のユニットを置いて磨き中の鏡を使ってテストしました。

干渉計の調整は、まず、レーザー光がまっすぐBSの狙ったところに入るようレーザーモジュールのマウントを調節し、そのあと、BSと平面鏡の向きを調節して、2つの平行なレーザー光が出射できるように調節しました。そして、レンズを挿入、ターゲットの鏡の中心に平面鏡で反射した方のレーザー光を当てつつ、鏡面で反射した光が再びBSに戻って干渉するように鏡の向きとユニットの位置(おおよそ反射鏡の球芯がBSの近くにくるようにする)を調整して、干渉光をカメラで確認しました。

このあたりは、Ed Jonesさんのビデオを見たときは意味がよくわかっていなかったのですが、自分でやってみたら簡単でした。

どうもBSとか鏡とか、レンズが汚れていて、散乱光が酷く、偽の干渉縞もいっぱいできているので、きれいにクリーニングすることが必要そうですが、一応磨き中の鏡の干渉縞模様を見ることができました。

左下の方に見えているのが、15cm F8の鏡です。あからさまに面があまりきれいでないのですが、これが鏡面のでこぼこなのか、干渉計の問題なのかを調べるところまでは行っていません。まず、散乱光などでかなり画像が汚いので、もう少しましにしたいところ。

でも、あからさまに鏡面の端っこがだれているのが干渉縞の様子からもわかりますので、おっ!と思いました。

干渉縞のビデオはこちら。畳の上でテストしているので、振動の影響が激しいです。。。

娘は、5/7の模試に向けて一生懸命算数をやっていますが、私は、仕事をせずに干渉計で一日遊んでしまいました。夜は、仕事をやらなきゃね。。。

5/5 追加

調整をしてかなりましな画像が得られるようになりました。結構調整難しい。

Webカメラ改造の続き、鏡面研磨近況

なんだか、同じところをぐるぐる回っている気がしますが、昨日は、朝早起きして、前に少し進めたWebカメラをCマウントのカメラに改造する件と、鏡面の検査のためのフーコーテスターの改良(?)を進めてみました。

1.WebカメラをCマウントのカメラに改造する件

3DプリンターでWebカメラのCCD基板を保持する部分を作りました。最初、CADで図を描いた通りにプリントをしてみたのですが、使ったABS樹脂はかなり収縮するので、合わせてアルミ板で製作したレンズマウントと取り付けネジ穴の位置が合いません。ノギスで計測したところ、0.5%程度ABS樹脂でプリントした部品が収縮している様でしたので、逆に0.5%大きなサイズの部品に拡大してプリントしてみたところ、何とかOKになりました。

レンズのマウントは、5mm厚のアルミ板にCNCで穴をあけ、ミルスレッド工具を使ってフライスでCマウントのねじ(1-32UNC つまり1インチの25.4/32mmピッチのUnifyねじ)を切ってみました。ねじ切りは、Carmexのミルスレッド工具を買ってあったので、carmexのWebサイトで、ヘリカルねじ切りプログラムを作成して自分のCNCフライスで加工をしてみました。ねじ切り用の下穴は直径24.7mmの穴をfusion360 のCAM機能を用いてプログラムを作成し、6mmのエンドミルで加工してみましたが、機械の剛性が足りないせいか、はたまたエンドミルの径がきっちり6mmでないためか穴が小さすぎたため、最終的には24.9mmの下穴のプログラムを使って穴あけをしましたが、うまくいかない原因の追究まではできてません。

おそらく、フライスのX,Y軸駆動ねじにバックラッシュがあるため、ソフトで補正をしているのですが、補正がそれほどうまくいっていないのかもしれません。補正値は、作ったときに測った値のままですので、見直してみようかと思っていますが、時間がなかなか取れてないです。

ヘリカルねじ切りの方は、下穴の問題から何度かやり直しましたが、最終的にはレンズをしっかりねじ込めるねじを切ることができました。

Cマウントのねじ穴が切ってあるので、望遠鏡に取り付けて惑星を見るのにちょうどいいかも。または、結構このWebカメラの感度はよいようなので、自動ガイド用にもいいかも。

2.フーコーテスターの改良、と磨き中の鏡面の検査

先週、乙女高原観望会で研磨を進めたのですが、日曜朝に、現地で結構な積雪があったので、日曜の午前中の研磨作業はあきらめて撤収してきたのです。家で自習しようと思って機材を持ち帰ってきたのですが、案の定仕事で全く平日は進めることができませんでした。

なので、土曜の朝早起きして、少しでも進めようとしてみました。

まず、フーコーテスターのネジは、今まで5mmのずん切りボルトを使用していましたが、3DプリンターDIY用の部品に直径5mmの台形ネジのズンぎりとナットがとても安く売っていましたので、調達。台形ネジに取り換える作戦を実行しました。もともと切っていたねじ部をフライスで除去し、台形ネジとセットでついてきた台形ネジ用ナットを取り付けるべく、穴あけ、タップ切りに励みました。

その結果、現在のマイフーコーテスターは下のようになってます。テスターのいじくりばっかりしていて、一向に研磨が進捗していませんが気にしないことにします。

ステッピングモーターと台形ネジは、リジッドカップリングでつなげていますが、調整がちょっと煩雑でした。

なぜか、WebカメラをCマウントに改造したものを使っておらず、市販(Aliexpressで購入)の監視カメラをつけていますが、これはあまり気に入っていないので、そのうち改造したWebカメラに置き換えるかも。

台形ネジに変更したら、どちらの軸も、狙った通りに台座が動くようになり気持ちがよいです。

普通のネジを使うと、ねじとナットの当たり具合によって、ねじを回しても動くときと動きにくい時などが出てくるのですが、台形ネジは、軸方向だけ(に近い)ナットを押す力がかかるのか、そこの動きが非常に素直になりました。ステッピングモーターの回転と組み合わせて、1/1600 mm 単位で押し引きできることになっているのですが、フーコーの画像を見ていて、その解像度での動きが実際にできている感じはあります。

これで、乙女高原観望会から持ち帰った自分の鏡面を検査してみた結果が下記の通り。

鏡の真ん中のは、たぶんレンズに乗っているごみが見えているものだと思います。

前は私の鏡は、リングがいっぱいできてしまっていたのですが、それは何とかおとなしくなりました。ただ、中心部に山ができているのと(読み取り合っているかな?)、もっと問題なのは外周がだれてしまっていてよくないです。おそらく外周のところのピッチ板と鏡面の密着がよくないのだと思う。山は外周の問題をショートストロークの研磨で解決した後にオーバーハング研磨をやって修正しようと思っています。

少なくとも放物面になっていたら、こんなにコントラスト高く鏡面の不整は読めないそうです。

検査をしながら、フーコーテスターの処理プログラムもあれこれ改良。自動ゾーンテストをするときに、ナイフエッジの像が中心で対称になっていないとあまりよいデータとなりませんので、X軸(ナイフ左右)をデータを見ながら微調整してくれるようプログラムを改造。まだ完全に動いてはいませんが、X軸の位置を自動で合わせこめるのは、便利そう。

とその辺まで進めたら時間ぎれ。今回もやっぱり研磨の作業をバンバンやるところまで到達しませんでした。でも、まあ少しずつでも進めばよいと思ってやっているところです。

あとは、CNCフライスに新しく導入したモーターコントローラーを使うにあたってのlinuxcncの設定調整とかあれこれやって1日終わってしまいました。