工作室の居住環境を改善する

新型コロナの影響でテレワークをしている人も多いと思いますが、我が家も全員テレワーク&リモート授業でそれぞれPCに向かっています。我が家は1F2Fが吹き抜けでオープンな作りなので、どうしても声が響きやすくそれぞれが独立してWeb会議に出て発言するなどの際、互いに声が入り込んでないかちょっと気を使います。

それで、私は別棟の倉庫という名前の工作室でテレワークをするようにしようかな、と思った(good idea!)のですが、倉庫は、簡易な構造で居住性が劣悪なんです。

もともとが倉庫なので、壁には棚を作りこむときに断熱材を入れてあるんですが、肝心の屋根が、ガルバ波板屋根の下が野地板、以上、断熱なし(竣工時、「かわいそうだから野地板は入れておいた」、とのことでした)のため、春を過ぎたころになると、暑くてとても居られない状況になってました。2.2kWの安いエアコンを自分で取り付けてたんですが、どうも効きが悪いというかほとんど効いている感じがしませんでした。

というわけで、意を決して、テレワークのために「屋根に断熱材を入れて天井を張るプロジェクト」を開始することにしました。

倉庫ですので、普通の家屋のように野縁を吊って天井を張るというようなスペースはありませんので、野地板を乗せている垂木の間に断熱材を入れて野地板に直接天井を張ることにします(屋根断熱、みたいな感じですか)。

断熱材は、垂木の厚さから50mm前後しか入れられないのと、造作のやりやすさから、安さ爆発10k 50mm のグラスウールです。3.1坪分を2巻で余りましたので、まだ断熱材を入れてない壁にもグラスウールを詰めました。

天井は垂木が455mm ピッチで入っていますから、そこにこれまた安さ爆発ジプトーンライトをホームセンターでちょっとずつ買いながら張りながら、グラスウールを詰めた屋根を天井にしていくことにしました。何せ、フルに使用中の倉庫なので、まとめて材料を買ったら置くところがない・・・

垂木が梁に乗っているところには、直接ジプトーンを梁に張れませんので、垂木の横に張り出すように天井を張るための下地を用意する必要がありましたが、これが結構苦労した。

倉庫にコンセントや照明を増やしまくった際に何も考えず配線を這わせたため、下地や天井と干渉することがわかり、配線の取り回しを移動したりする必要がありました。倉庫は基本的に自分でメンテする前提としているので、配線は基本的に梁に露出させることにして、いろいろと整理。でも、整理にも限界があり、上の写真でも、天井が来るところに配線があるので、そういうところは、ジプトーンを切って避けることにしました。

これを計画したときにWebでいろいろ調べてみたんだけど、お手本が見当たらなかったので、完全自己流です。

配線が梁の上を廻っているところは、ジプトーンに切り欠きを入れて避ける。結構そんなところも多いので、切り欠きを入れまくりなんですが、天井張る姿勢は辛いので、どうしても大きめに切り欠きを入れてしまいます。見栄えはかなりいまいちですが、これでいいことにします。

梁のところはジプトーンの幅を405mm 程度に切る必要がありますので、かなりたくさんジプトーンの端材が出るなあ。どうしよう。ジプトーンは「石膏」なので、端材は砕いて保存しておいて、キャスティングでもするか?

ジプトーンは表裏の紙で石膏を押さえているだけなので、カッターナイフで簡単に切れますが、きれいに仕上がらず、大工さんはどうやってごまかしているのか?と思いました。切ったら糸面取りをする必要があると思うのですが、カッターではうまくいかない。また、素人工事なので、どうしてもビス(28mmの石膏ビスを使ってとめました)を打ち込みすぎて、いろいろなところでジプトーンを崩してしまった。べニアと違ってビスの打ち直しが効かないのは素人にはつらいなあ。

エアコンがつけてあるところは、一度エアコンをフレームから外して適当に支えておきつつ、ジプトーンを張ったけど、めちゃ疲れた。

とりあえず、1/3程ジプトーンを張ったところだけど、残り2/3終わるかなあ・・・って感じです。

天井に断熱材を張った効果は著しく、放射温度計で測定してみたんですが、断熱材のない野地板が午前中でも38℃のところが、断熱材のあるところでは、30℃前後にはなっていました。これで現状エアコンがしっかり効くようになりましたし、朝などは、これまではちょっと寒かったのだけど、心なしか倉庫の中が温かい。今までは屋根から熱がどんどん逃げていたのかなと思います。もっと早く工事に踏み切ればよかった。

ELEGOO MARSとPhrozen Sonic Mini続き

レジンをバットに入れたままにしてはいけないのだと思いますが、めんどくさいのでそのまま部品をプリントしてみたりして遊んでいます。私は機構部品だったり、基板の止め金具みたいな、光造形のプリンターがあんまり必要ないことばっかりやっているので、もっぱら光造形で出したらどんな感じかなと様子を見るのが目的です。

改造したELEGOO MARSは特製のZ軸ベアリングを上端に取り付けてみました。これが吉と出るか凶と出るか?

似たような機構部品(コリメータ簡易取り付け用)を複数個出してみた。なんか斜めにモデルを回転している例がいくつかあったので、考えもなく真似してみました。が、あからさまにまっすぐの面がまっすぐ出ていない。

ELEGOO MARS(透明赤)とPhrozen Sonic Mini(青)で同じモデルを出して比較。

平らな面がデコボコになるのはPhrozen Sonic Miniでもなっているので、自己流改造のせいではなさそう・・・

寸法を測ってみる。

printerModel16mm31mm24mm
Phrozen Sonic MiniA15.9231.1224.23
Phrozen Sonic MiniB16.0131.0424.30
ELEGOO MARS改A16.1230.8524.37
ELEGOO MARS改B16.1031.0724.43

おおむね狙った寸法が出ている様子だけど、デコボコは目で見てはっきりわかるので不満。

ただ、M3のねじをそのままfusion360でモデリングしてプリントしたのですが、渋いけれどもそのままM3のねじをねじ込める程度の精度が出ているのはすごいと思いました。やわらかいので実用的かどうかは?ですが。

モデルを傾けてプリントするのと、そのままの向きでプリントするのでどの程度具合が違うかを見たくなって、モデルの回転をさせずにプリントしてみています。

5/14 追記)モデル回転なし(=Z軸と平面が平行)でプリントしてみたらやはりこちらのほうが望ましいですね。変な段差もない。

モデルを傾けずにプリントしたものELEGOO MARS改
printermodel16mm31mm24mm
Phrozen Sonic MiniA15.8530.8624.15
Phrozen Sonic MiniB15.8630.8524.16
ELEGOO MARS改A16.0030.9923.85
ELEGOO MARS改B15.9731.0323.84

今度は寸法もばらつきが減った(デコボコしていないので、測るところによる違いが少ない)のと、プリンターごとの性質が見えてきています。

ELEGOO MARS改は、おおむね正確だけどZ軸方向が少し短めにでる。

Phrozen Sonic Mini は、全体にやや小さくなるが、Z軸は長めに出る。これは樹脂の問題か、Z軸バックラッシの問題か(明らかに最初のあたりのレイヤーが膨らんでいる)かまでは考察できてませんが。

ねじのモデリングがどの程度できているかというと、

ELEGOO MARS M3 thread modeled
Phrozen Sonic Mini M3 thread modeled

それぞれこんな感じで、ちょっと山谷がねぼけたような感じでねじができています(ELEGOOが顕著)。

また、穴やエッジを見ると、解像度はよい(LCDドットが見える)のですが、全般にだれた感じになっているんですよね。どういったプロセスでこうなるんだろう?

Z軸のエッジはよりシャープなので、stlにしたモデルが鈍ってるのかな・・・

造形したM3ねじにボルトを通してみたら、ねじ山が壊れまくりで一応留まりますが、実用的とは言えないなあ。もう少し強度のある樹脂ならいいのかもしれないけど、樹脂が柔らかすぎる。ELEGOO MARSでプリントしたほうがねじ山の壊れ方はましだったので、樹脂の種類にも依りそうだし、二次硬化の程度にも因りそうだ。

顕微鏡で見てみると洗いが不十分なところがあったりして、後処理が大変だな、と思いました。

ELEGOO MARS 改造(改良?)と3Dプリンタ精度比較

昨日からELEGOO MARSのプリント結果が結構Z軸の方向に問題があるということに気がついてより、もう少しちゃんと出るようにしようということで、改良改造を行いました。

Z軸の出し始めの厚みがかっちり出ないという問題は、Z軸に遊びがあるとの分析結果に基づき、こちらのかたが実践されているように、モーター軸のベアリングを押さえているスプリングワッシャをさらに圧縮するスペーサーを入れ、遊びをなくすのと、ステッピングモーターへの取り付けを、ディフォルトのマウントを変形しないものに変更するよう変更を行いました。

私の場合は、スペーサー等はPrusa i3 mk3s を使いPETG 0.1mm/layer 100% infill の設定で印刷をしました。この厚みがかなりシビアということで、Prusa i3 mk3s の1st layer calibrationを何度か行い、出力したワッシャの1.1mmのところが1.1mmになるように調整をしました。

ELEGOO MARSのモーターを分解するには、まず、ビルドベースをELEGOO MARSのマニュアルコマンドで上にあげて外し、ビルドベースに内蔵されている親ねじの遊び取りのスプリングと押さえねじも外しました。そのうえで、後ろ側のカバーを6角穴付き*4を外して、外し、モーターの配線を外し、台座にモーターユニットを留めている2つの六角穴付きボルトを外して、斜めにボルトを傾けながら引き抜きました。これで最小限の分解でモーターをばらすことができました。

モーターユニットを外して中にプリントしたスペーサーを入れ、マウントをこちらもプリントしたスペーサー(緑)を介して固定するように変更したところ。

モーターユニットを元に戻した後の固定ですが、何も考えずにねじを締めると、スライドユニットの軸と、Z軸のねじの軸が合わない問題がでると考え、軽く留めた後、Z軸のねじが極力蛇行しないように固定しました。軸がずれていると、回転に合わせてZ軸の上端が円を描くので、そのブレが小さくなる場所をZ軸のねじ径に合ったベアリングを上端サポートとして使うなどしながら、探して固定しました。

手元にあったベアリングを上のプレートにクランプで仮止めして軸を出してみた。

上端のベアリングサポートは、あるとZ軸ねじが過拘束となるようにも思え、悩みますが後でベアリング上端サポートを取り付けて比較してみようと思います。

思うに、モーターの取り付けがゴムマウントになっているのは、この軸だしをする必要をなくすためだと思います。やはり本来は台座のところに接触角ベアリングなどを使うなどして、かっちりとした軸・原点が設定してあって、そこへカップリングなど使ってモーター駆動をするべきでしょうね。

上のプレートはぎりぎりZ軸ねじと擦れますのではずしました。

上端のベアリングサポートはとりあえず取り付けずに、Z軸の高さを調べるためのテストピースを印刷して成果を確かめます。

ちょっとした興味で同じテストピースを3つの3Dプリンタ Prusa i3 mk3s (緑)、ELEGOO MARS改(赤)、Phrozen Sonic Mini(水色)で出力してみました。

見栄えは、改造したELEGOO MARSが一番いい感じです。Phrozen Sonic Miniは1st layer の露光時間が長すぎるのか?最初が膨れてしまっています。

出力の目的は、精度を確認することなので、ノギスで測定して結果を比較してみます。その結果が下の通りで、光造形の2式はどちらも最初のレイヤーがちょっと厚めに出ていることがわかります。最初のlayerの厚みが最も誤差が少ないのはFDMのPrusa i3 mk3s でした(調整かっちりやったから、というのもありますが)。

厚みが厚くなってきたときに、Prusa i3 mk3sはちょっと長さの比率が長めに出る傾向がありましたが、その理由については、ちゃんと調べられていません。光造形に関しては、厚みが出るとちょっと短めに出る傾向があるようですが、これはZ軸が少し傾いているのでしょうか?ELEGOO MARS改の場合10mm で-0.2mmの変化なので、2%程度。軸の傾きとするのには無理があり、樹脂の収縮が関係しているのかなと思いました。それぞれいいところ悪いところが出る結果となりましたが、総体的にELEGOO MARS改はなかなかの精度が出るようにはなりました。

ただし、X,Y軸方向の誤差も同じテストピースで測ると、Prusa i3 mk3sは10mm が10mm で出ているのに対し、ELEGOO MARS改は10.18mm Phrozen Sonic mini は9.9mm とずれがありました。長手方向ですと、Prusa i3 mk3s は30mm のところが30.12mm ELEGOO MARS 改が30.45mm Phrozen Soic miniが29.82mmとなりました。と

いうわけで、XY軸方向については、ELEGOO MARS改が1.5%程度長め、Phrozen Sonic miniが1%程度短めに出るということで、こちらも要検討と思いました。光造形はdetail はかなりきれいに出ますが、精度についてはなかなか難しいものだな、と感じました。

ELEGOO MARSとPhrozen Sonic Mini

私の巣ごもり消費の形で、3Dプリンタをむやみに買ってしまいました。

FDMの3Dプリンタはデルタのキット、CoreXYの半自分デザインのもの、中華のprusa i3 もどき、Prusa i3 mk3s + MMU2S と導入してきましたが、私にとって3Dプリンタは、それを使って何かを作りたい、というよりも動く機械を自分で作ってみたい、というところが強いです。というわけで、どれも自作だったり、キットだったりと、自分の手がかかるところに惹かれるものがあったわけなんですが、一方光造形の3Dプリンタは、どうも自分の手をかけるところが乏しいようで、あまり興味はありませんでしたし、とても自分のポケットマネーで買えるようなものではない、と思っていました。

それが、Anycubic Photon あたりから手ごろなのが出てきたのを横目に見てはいたのですが、気が付いたら3万円ぐらいのがいっぱいamazonの棚を賑わすようになっていました。

ということで、しばらくAmazonを見ていたんですが、4/20にはちょっと我慢できなくなって、まずamazon でelegoo mars をぽちっとしてしまいました。ぽちっとした後に、ほかにどんなのがあるんだろ、って順番が逆だと思うんですが、調べ始めて、all3dpの安物系光造形3Dプリンターのレビューを見ると、今は台湾のPhrozen Sonic Miniが熱いらしい。で、elegoo marsが届いていないのに、台湾PhrozenのWebショップでポチりそうになったのを我慢していたのですが、結局とうとう我慢ができなくなり、4/26に発注をかけてしまいました。その時、早くてdelivery は5月中旬よ、とあったのでのんびり構えていたんですが、5/5にfedexでshipping したよとメールが来て、5/7の昼にデリバリーされちゃいました。Fedex早っ。なんだか知らないけど、突然国際貨物が動き出した感じですかね?

Phrozen sonic mini は一緒にresin VAT*2, green resin *3, 水洗いレジン*1 レジンクリーナ5リットルも一緒に頼みました。これで日本円で5万円以内です。安い。

Elegoo mars は情報もいっぱいあるので、Phrozen Sonic Miniについてimpression を書いてみます。

右側がPhrozen Sonic Mini,で左側がELEGOO MARS (てか書いてある)。

まず、最初に思ったのが、筐体が華奢で安っぽいですね。Elegoo Mars は4本脚がアジャスター付きで机にしっかり置けるように調節ができる。Phrozen Sonic miniにはそんなのなくて、足にゴムをかぶせるのが付いてくる。赤いカバーも薄くてペナペナ、電源のACアダプターも最小限?の12V 1.5Aのいかにも安そうなのが付いてきました。ビルドプレートなんかもElegoo Marsの方は、割合高級感ある表面仕上げのもの。Phrozenの方は、表面をいかにも手でサンドペーパーで磨きました、って感じのもの。でもビルドプレートの位置合わせはかっちり決まる感じのものでそこは好印象。

メカはリニアガイドを使っていて高級感はあります。でも動作音Elegoo Marsより大きめで自作の中華プリンタを彷彿とさせるものが。。。一方、Elegoo Marsはファンが回っている音が結構聞こえるのですが、Phrozenの方は静か。

ビルドプレートが平らなのは、レジンの切れが悪いしお掃除が大変。Phrozen のサイトには、上面が斜めになっているプレートが別売してあるので、交換したいところ。。。

というわけで、それなりに価格は安いのですが、それには理由がある、という感じです。

USBスティックについていたテストファイル(指輪?)をプリントしてみる。

VATに開いている穴にねじを通してVATを固定するのも位置合わせがあまりやりやすくはないですね。ELEGOO MARSのように横からスライドできて、パスっとはまったところで押さえる方式が楽でよい。

印刷中UV?のライトが後ろから漏れてるけど大丈夫なのか?後ろの壁が焼けそうでやだなあ。

Phrozen Sonic Miniについてきたモデルファイルを選んで開始しただけ。結構きれいだね。

印刷結果はかなり満足いくものでしたので、安いけどいい感じ?速度が速いらしいけど、寝てたのでそれは実感できませんでした。

ELEGOO MARSの方は、地形図を3Dで出したりして遊んでみたんですが、Z軸の問題が出ていることに気が付いた。

右端の面が最初のレイヤーなのですが、膨らんでいるのは最初の1mm程度が積層ピッチがずれているからだと思います。ということに一度気が付くと気になって仕方がない。まだ買ったばかりだけど、こちらにあるような改造改良をやろうかなと思ってます。

太陽熱温水器を修理する(1)

新型コロナで外出を自粛してます。家でうだうだしているのも性に合いませんので、仕事にかまけて放置していた家の課題に少しずつとりくんでいこうと思いました。その第一段、しばらく前に故障してそのまま放置していた太陽熱温水器をまた動かせるようにしようということで、

まず、どのような故障が起こったか、ですが、2013年夏に自作し、稼働開始、2014年夏に、中華バルブがイカレたのを交換して直したわけですが、そのあと、まず2017年5月にPC上のlinux で動かしていたデータ収録可視化が動かなくなったと思います。そのあと、1年ぐらいは動いていたと思うんですが(だいぶ前で忘れた)、ある時、温水器のコントローラーのArduinoが動いていないのに気が付いて、チェックしてみるとコントローラーのレギュレーターが壊れてArduinoが死んでました。そのあと、とりあえずコントローラーをシステムから切り離してそのまま、という電気周りはそんな感じでした。

また、ある時、温水タンクの配管から水漏れがあるのに気が付いて、忙しかったのでとりあえず温水タンクへの水道配管の弁を閉じて漏れたままにはならないように処置。

コントローラーが働かないと温水器の集熱器が水で冷やされないのでかなりの高温(100℃以上)になります。ということで、集熱の配管系の水圧が高くなったタイミングで配管の接手からリークが起こって、集熱配管系の不凍液が漏れて、それも忙しくてそのまま。

ということで、この2年ほどは、太陽熱温水器は稼働せず、故障を放置したまま今に至る、という感じでした。

それを稼働させるには、まず、ハードウェア周りの課題をなくします。

1)コントローラーを作り直す

前のArduinoベースのコントローラーをそのまま動かすのでもいいのですが、当時と今と世の中が違います。ということで、IoT時代に合わせて(というか、周回遅れでしょうけど)、Wifiでネットにつながり、Webから制御でき、クラウドに温水器のデータを上げるコントローラーにしようと思いました。

ということで、コントローラーにeps32を採用、でamazonをポチポチ。相変わらずネットのリソースを最大限活用(というかコピペ)でプログラムを書いて、温水器の各部温度、バッテリー温度、その他BME280で取れる情報などを取り込み、手持ちのMOSFETでポンプなどをスイッチングできるものを作りました。

各部温度はサーミスターで見ていて、そのためのAD変換はesp32のADで十分かと思ったのですが、バッテリー電圧の監視をするにはesp32のADはリニアリティが悪く、ちょっと精度に問題あり、ということで、I2CバスにつなげられるADS1115のモジュールを一部のADチャンネルに使いました。数年前と比べて、こういうI2Cバスにつながる機能モジュールがたくさんあるので便利ですね。

また、コントローラー系がかなり単純になり、必要な電力も小さくなりました。今まではWebにつないでデータ可視化・解析をするのにPCを必要としていたり、いろいろなシステムが複合して動く必要がありましたが、それが今は1チップ。すごいな。

2) コントローラーがおおむねできたら、配線をしてテストをします。温度を読むサーミスターがそれぞれどれか対応を確認し、プログラムを修正しながら、まずサーミスターがどれも生きていることを確認しました。

その次に、ポンプ(12Vポンプを2個パラで動かしている)に配線をして動かすために、温水循環系を復活させます。温水タンクのカバーを外して、ポンプの配管に外部から水を入れたり強制循環させたりするための治具を倉庫の奥から引っ張り出してきてつなぎます。水を入れつつ循環させたところ、数年もの間循環をさせずに放置していたためか、非常に汚い不凍液のなれの果てが出てきました。この際、清水で一度配管を清掃することにして、何度か循環をしつつ清水が循環するようになるまで清水と入れ替えをしていきました。また、この時、不凍液が漏れた場所の確認をするため、太陽熱の集熱板のカバーを外して漏れたところを点検。ちょうど接手で漏れていたので、締めなおしたところ漏れがなくなりましたので、とりあえずこれで修理できたことにします。

この状態で、コントローラーをポンプにつないでポンプを動かしたところ、ポンプが少し動いたら止まり、を繰り返していました。ポンプ故障か?と思い、倉庫の奥にこれまたAliexpressで買って放置しておいた24Vポンプに取り換えたところ、新しいのは問題なく動きました。が、またしばらく動くと止まる、ことがわかって調べたところ、コントローラーで24V電池から12Vを作っていたDCDCの容量不足のためらしい・・(ちょっと煙も出ていたような・・・)、DCDCは秋月の大きめのヒートシンクがついているものを前使っていたので、そちらに交換してとりあえずOKとしました。

そしたら、今度は、スイッチングしているMOSFETがちょっと熱め・・のため、やっぱりリレーを使うように変更しようかな、と思いつつ、とりあえず動くので、動作試験はこれでやることに。

ひょっとしたら交換して外したポンプは全くOKの可能性があるので、大事にとっておきます。

3) この後、温水タンクからの水漏れ場所をチェック。接手からの漏れだったので、締めなおしで直るかなと思ったら直らない。接手を外して確認したら、ガスケットが入ってない!

ホームセンター行きたくない一心で倉庫からガスケットを探し出し、直しましたが、温水部分なので断熱材をはがしてまた取り付け、テープ巻き、で結構疲れた。作業としてはこれが一番大変だったような。それになんでガスケット入ってなかったんだろう。と、よく見たら千切れたガスケットが地面に落ちてた。どうもガスケットの千切れで漏れてたようで、接手を外した時に落ちたのね。

4) とりあえず、動作をさせるのに問題があるところは直ったのでこれでお湯を沸かしてみます。今日は天気が良かったので、昼の時間の間に300リットルの水の温度を20℃程度上昇させることができました。ポンプの流量を増すともう少し集熱できたと思いますが、このあたりは、スイッチングの仕組みを変更してチューニングすることにします。

また、並行してクラウドにデータをアップロードする仕組みを検討して実装しました。というか、google spread sheet にデータをアップロードする仕組みをそのままwebから頂き、1分ごとに各部の温度やバッテリー電圧をupload するようにしました。google spread sheetはよくできていて、データをアップロードしたら、リアルタイムでグラフが更新される。すごい。

こんな感じで、自作のシステムは壊れたのを修理するのが前提で運用をするため、状態監視が重要なのですが、簡単に様子がわかるようになりました。図でFloor heaterはサーミスターが壊れてるっぽい?沸かしたお湯を湯船に張った後のデータなので、Tank の底は水道水の温度+αになり、Topはお湯になって、温度の成層がタンクの中で起こっていることがわかります。

あとは、コントローラーのプログラムをアップデートしたりとソフト周りを直すのと、MOSFETのスイッチをリレーを使うように変更したりぐらいかな。今日は、久々に太陽の熱で沸かした風呂でリラックスすることにします。