50MHz トランスバーターに苦しむ

mcHFで手っ取り早く50MHzバンドに出るために手当てしたトランスバーター(のキット)ですが、いきなりハマりました。

e-Bayで50MHz 28MHz transverterなどと検索すると大量に出てくるウクライナのやつです。スペアナもあるし、これをとりあえず動かして出てくる50MHzの電波の品質がまともだったら変更申請に加えよう、とか思ってテキトーに作りました。

で、さっそくmcHFからRFとPTTをつないでテスト。最初は0.5W程度で控えめに・・・

ということで、やってみたら出力出ない。

なんだかなー。調べてみると、PTTを押しても、入力に入れたリレーが切り替わっていない。どうもmcHFのPTTはそんなに電流を流せないためにリレーを駆動できてない様子(回路図見たらリレーのコイルに直接つながっていて、なんじゃこれ、となった)

しょうがないので、PTTのラインをワニ口で強制的に送信としたところ、一応出力は出てくるようになったけど、出力が小さい。どんなに頑張っても20dBmしか出ない。。。。

オシロで信号を追っかけてわかったこと:リレーがちゃんと動かないと、MOSFETのミキサーにmcHFからのRFがATT経由しないでつながってしまうので、即刻壊れているっぽい。

まじかー。

とりあえず、このBF998というミキサーに使われているdual gate mosfet が飛んだだけっぽいので、とりあえずこれを取り替えよう、と思ったけど、部品の通販でまた待つことになるかなあ。最低1週間だろうけど、最近海外通販がまた遅れ気味になっているっぽいので、いつになることやら。。。

部品は取り替える、にしても、ATT経由しないでドライブしてしまう恐れのある回路のままでは何度やっても壊してしまうであろう、ということで、この回路そのままはだめですね。最低限、送信と受信を別にして、送信側には必ずATTが入るようにしないといけないと思った。

それと、50Wのリニアのほうも、mcHFのほうでキャリアが漏れているために、mcHFのほうでもう少しキャリア漏れを改善するか、mcHFの出力を一度ATT(10dBぐらい?)で殺してリニアに入れるようにしないと近接のスプリアスが規定を満たさず、on airできるqualityにはならないため、こちらも、両面作戦をとろうと思っています。

いずれにしても、手元のFT991やらIC705でサクッとOn air できるのに、このあたりでウロチョロしていて最近ほとんどアンテナから電波出してません。

mchf firmware modification

mcHFのJA対応は、いろいろ悩んだんですが、3.5~3.8MHz はJAでは6セグメントに分かれているため、バンドの総数を増やす対応をすることにしました。いちおう1.8MHz~28MHz帯のすべてのセグメントをbandinfo で定義して対応したところを変えていきます。

バンドの情報や終段のバイアス設定などはEEPROMに記憶されるのですが、その関係でEEPROMのバンド関係のマップも見直す必要がありました。また、前に使われていたEEPROMのアドレスを流用しないようにするためには、さらに別のアドレスにまとまった保存領域を確保する必要が出てきたことから、これまでのEEPROMの容量では足らないことにもなりました(EEPROMを1025/1026でつけておけば大丈夫)。

そんなこんなで、いくつかのファイルを変更、コンパイル、書き込みをしました。全バンドを設定、前に使った周波数・モードも記憶されるようになりました。

あとは書類書いて変更申請出すだけなんですが、だんだん欲が出てきて、どうせ変更申請出すなら、50Wリニアと50MHzのトランスバーターも一緒にして申請しようかなとか思いだす。。。

で、RD16HHF1 4パラという胡散臭い50Wリニアを手当てしてあったので、つないでテストをしてみました。0.5Wぐらいでドライブして50Wが簡単に出ました(ハイバンドではちょっと厳しいけど)。LPFをちゃんと設定してあれば、高調波-50dBは軽くクリアしてるっぽいので、これを追加しようかなと。ただ、mcHFとリニアの間のマッチングがでたらめ(特にハイバンド)なので、間にアッテネーターを入れるかしてマッチングを取らないといけませんね。

トランスバーターはこれからです。

しかし、コンパクトなQRPリグのはずなんだけど、これだけあれこれ付けたらFT991とかそのあたりのリグと同じサイズ感。消費電力もそれなりなので、やっぱりmcHF単体で使うのがスマートですね(でも6mには出たいな)。

mchf スプリアス対策?

今日は、計測したmchfのキャリア漏れを何とかしようと試行錯誤していました。

先達の方の中には、ミキサーのグラウンドをキャパシタを入れて安定化すると効果があったという方がありましたので、私も同様にSMDのキャパシタを付けてスペアナで測り、変化を確認、を繰り返してました。

・・・

いろいろやったんですが、目に見える変化が得られませんでした。ミキサーの出力を見ていると、ミキサーのスイッチングでリンギングしたスパイクが入りまくっているんですが、先達のやられている対応を実施すると、そのスパイクの波形がむしろひどくなるので、どちらかというとスイッチングのドライブのインピーダンスマッチングを取って綺麗にミキサーを動かすのがよさそう、と思ったんですが、試行錯誤の結果、結局最初の回路のが最良、というのが今日の結果でした。

そうこうしているうちに、PAの出力を5W以上にあげたほうが、キャリアの漏れたのが見えなくなるということも見えてきて、なんか今までミキサーを悪者にしていたのだけど、実は違うんじゃないかなという気もしつつ、とりあえず免許は、ぎりぎりでもいいので、スプリアス規定を満足する設定を探しておろそう。ということで、今の状態でケースに入れて一旦完成形にしようと決めました。

ということで、今この状態。

ソフトの調整をして、もう何とか第3送信機にしちゃおうと思います。今のところ欲張らず、3.5, 7, 14, 28 (要は今のLPFでスプリアスを満足するバンドで)CWとSSBが出れればいいやという感じです。

mchf スプリアス測定

変更申請を行うために、新スプリアスの規定を満たすようにする必要があり、近接スプリアスの測定と高調波の測定を試しにしてみました。近接のスプリアスとしては、IQ合成のバランスとりが悪いと24kHz離れたところに出てくるピークと、キャリア漏れの12kHzのところのが問題になりえると思います。IQ合成についてはmchfのメニューで調整できますので、それを一通り行い、キャリア漏れはミキサーのグラウンドインピーダンスを下げるとか、バランス改善のメニューだとかいろいろな方が提案されている方法をこれから試そうとしているのですが、まず現状を把握する意味で、現状を練習兼ねて測ってみました。

測定は、RIGOL DSA815に40dBのアッテネーターを通して行いました。記録はPCにLANでスペアナを接続し、RigolBildschirmkopieというキャプチャソフトで取りました。免許は最終的には3.5, 3.8, 7, 14, 21, 28が出られるようにしたいと思っているので、これらのバンドで測定します。SSBモードでキャリアをフルパワーで出して計測を行いました。

キャリア漏れなどのピークについては、RBWを1kHzの設定で、基本波の高調波に関してはRBWを100kHzにして100MHzまで測定してみましたが、測定方法が正しいか自信なし。1GHzまで測らないといけないと思いますし、CWその他のモードでも測らないといけないのかな。わーめんどくさい(保証認定を取るのであれば、一応全部測ったうえで、資料の提出は一部?でしょうかね。)

まず3.5MHz

スプリアス規定は、アマチュアについては、5W以上の送信機については、基本波30MHz以下 はスプリアス領域で50mW以下かつPEP-50dBですが、微妙にクリアしていません。(SSB帯域が3kHzとすると、2.5倍で7.5kHzなので、これらのピークはスプリアス領域ということになるのかな)

7MHz

14MHzも同様

21MHzは厳しそう。

28MHzは惜しくもNG?こちらはIQのバランスがちょっといまいち。

次に高調波を見ます。

3.5MHz OK

7MHzもOK.

14MHzではなぜか83.84MHzに謎のピークが出てきた。CPUのクロックが漏れてる?

21MHzはLPFを別にしないと全然だめですね。謎83.85MHzはレベルがかなり高くなってるし。高調波は-50dBcを満たせばよいのか-60dBcなのか、規定をいまいちよく理解できてない。

28MHzでは、また例の83.85MHzがLPFのカットオフが高いせいでさらに目立つ内容。これはちょっと対策しないと不要輻射-60dBの基準は満たせない。高調波は大丈夫なのに。。。

ということで、いろいろと気が付いたのはよかったですが、道は遠そう。。。

mchf 四苦八苦(mixer, PA周り)

相変わらず作っていますが、一進一退という感じです。

まず、ケースに収めてみたところ、LCDは収まっているものの、ボタンの高さが高すぎて、ケースについてきたゴムボタンだと蓋を締めたら全部ボタンを押されちゃう、みたいな感じで、先達に従って、5mm高のタクトスイッチに取り換えることにして調達中。

で、その間、近接スプリアスを見直そうということで、キャリアから約12kHz離れたところのピークを下げたい、で、mixer の出力をスペアナで見てみたら、mixerの出力ですでにスプリアスが乗っていることがわかりましたので、これまた先達のを拝見しまして、mixer のDCバランスを変えて様子を見てみました。具体的には、

こちらの、R70を1kohm 程度まで小さくして、直列に1k程度の半固定抵抗を入れて様子を見てみました。そうすると、あまりここを変えても改善しませんので、何を変えると、ミキサーのバランスを変えられるのかな、と悩んでいるところです。また、バランス点(トランスの中点電位)は、回路上で設定されている2.5Vあたりではなく、3V程度のところが最良(でも数dB程度もよくなりません)でした。これはミキサーICのデータシートを読んでみたりもしたのですが、ここは、デジタルICの出力とのマッチングでもあるので、なぜかまではよくわかっていません。ここは、AC的には半端な状況でもあるので、小さな容量のコンデンサをGNDとの間に入れたりもして一定効果はあったんですが、理屈がしっかりわかっていませんので、もう少し考えてみようと思っています。最初はI2CのDACでDCレベルをバンド毎調整できるようにしようと思って、DACも調達してあるんですが、無理やりセットするのは、改善も乏しくあまり本質的でないなという感じです。

そんなこんなで、いじくっていたら、PAの出力が半分ぐらいしか出なくなってしまい、「ファイナル飛んだ?」と思ってファイナルを取り換えてみようと、ファイナルを基板から外したところ、基板のランドが剥がれたりして、やべー、という感じになってしまいました。

無理やりジャンパーを張ったりして、ファイナルを無事?取り付けてテストすると、さらに出力が出なくなってしまい、さらにやべーという感じ。そんな感じでこれは地獄の入口かな?と思ったので、少し落ち着いて、回路がちゃんとできていないんじゃないかな?と調べてみると、まず、PAのファイナルのグリッドへのDCバイアス(R81,R82)とRF入力(C99,C100経由)が基板の表・裏から別々につながるように基板がなっているということに気が付き、一方ジャンパーではRFの方を繋げていなかったため、こちらは、修正しました。

無理やりなおして、バラックテストのために、3mm厚アルミ板を使って組んだところ。

ところが、テストしてみると相変わらず、パワーが十分に出ない。ということで、やっぱりこれは信号をたどっていかないといけないね。と、まず、ファイナル2個それぞれのグリッド電圧を観測すると、両方ともバイアス電圧はかかっていますが、片方だけRFが乗っていない。というわけで、その上流を見ると、片方のドライバー(Q4)のコレクターにVCCがかかっていない、あれれということで、調べると、RFC6が断線しているようでした。こちらは、メガネコアを使ったものに取り換えている方がおられるので、それを真似しようと思ったけど、手持ちがないので、手持ちのRFCでとりあえず、まだ断線していないRFC5を含めて取り換えておこう、と思っているところです。

around faulty RFC6

なかなか完成まで行きませんねー。でもゆっくりでも完成させたいと思って進めています。

今晩、ジャンク箱漁って、手持ちの47uH(間違い、測りなおしたら0.47uHでした)のRFCをつけてみたんですが、14MHz以上はよくなってパワーが出まくりましたが、3.5MHz, 7MHz が正しくチョークとして働いてないようで、NG(オシロ見るとコレクタ電圧の波形がめちゃめちゃ)。

2/6 このあと、12V電源を繋いだら、送信もしていないのに、大電流がFETに流れちゃうという謎なことが起こり、RFCを変えたタイミングでそれが起こったこともあり、原因がわからず困っていたんですが、ファイナルのグリッドに入っている抵抗のリード(というかSMDのメッキ)が断線していたために、グリッドにバイアスがかかっていなかったためと判明。これを直し、RFCもサトー電気で買ったメガネコアに6T程度巻いたものに置き換えてテストして良好となりました。メガネコアに6Tは多分巻きすぎだと思いますが。。。

RFCを変えた後はファイナルのドライブ条件が改善したのか、スプリアスも減った感じです。

これでようやっとミキサーのキャリア漏れの対策にかかれます。。。