mchf v0.6 を作ってます。

だいぶ前にmchf のキットを買って組み立てていることをこれに書いていたんですが、ケースに収めようと買った中華のケースが微妙な品物で収まらず、当時局免を切らしていたこともあり情熱が続かず放置してました。久しぶりに局免をおろしたので、このキットも完成させよう、と考えました。

それで今回は頑張って作って、ダミーロードを使った送信テスト、まではこぎつけました。

ケースへは、一度は入れてみようということで、無理やり入れてみました。4つのMOSFETやらレギュレーターをアルミケースに取り付けるのは、FETの放熱タブにM3ナットをはんだ付けする力業で解決。また、そのままではケースにLCDのゲタの高さ分だけ高くて収まらないなということで、思い切ってLCDをUI基板に直付けの暴挙までやりました。でもこれは大失敗。ここまでしても約2mm分収まらないということがわかり、これはもうこのケースに収めるのをあきらめて、ほかのケースを買いました(納品まち)。こちらにも収まらなかったらケースを自分で穴あけして作るかな。。。と思っています。

さて、一応形になって送信テストをしてみたんですが、20m バンドが4Wぐらいしか出ない。ハイバンドが軒並みほとんど出ない。という状況でした。いちおうこれを完成させたら移動用のリグとして使ってみたいと思っているので、送信ができる状態にして、各バンドのスプリアスをスペアナで計測して、JARDか何かで保証認定取って、局免許の第2送信機にしたいと思っているんです。が、まず、パワーが出ない。ので今それを直そうとしているところです。

40mや80mバンドではばっちりパワーが出ているので、これはLPFだな。ということで、一度無理やりケースに収めたmchfをバラシて、RF基板のLPFに、最近思いつきで買ったNanovna v2 をジャンク箱に転がっているBNCコネクターやSMAコネクターにバラ線をつないだ治具を使ってつなぎます。

それで、パワーの全くでないハイバンド用のLPFを測定したところ、24.4MHzで-3dB 28MHzで-13dB 程度でした。パワー出るわけない。また、20mバンドも4Wしか出なかったのでこちらも測定してみたら、13.5MHz で-3dB 14MHzで-5dB程度。こちらもLPFの周波数が低すぎます。

それで、LPFに使っている手巻きのトロイダルコアのインダクタンスを同じくNanovnaで測ります。

インダクタンスをNanovna v2で測定。

そうしたら、回路図に記載されているインダクタンスと全く違う値。ある意味原因がわかって安心しました。巻き数を減らしながらインダクタンスを測り、大体1Tで0.09uH程度ということで、ずいぶん1T当たりのインダクタンスが回路図と違うなあ。なんでやねん。。。

一通り、回路図の定数に近い値になるようにして一度組みなおすことにします。

MCHF rf board 51ohm for reference! and toroidal coil for LPF

一方、あまり緩いLPFだと高調波-60dBが通らないような気がしている。

そのあとは、近接のスプリアスもクリアできるのか?不安は尽きませんね。。。

それと、保証認定を通すのに1GHzまで測定データが必要そうなので、思い切って安めのスペアナ(RIGOL DSA815-TG)もe-bayでポチってしまいました(1年以内に校正証明、がなくても保証認定はとれそうなので・・・).スペアナを買ったので、40dBぐらい落とせる100W 50ohmのATTもポチる。

それから、mchfの免許を通すのに挫折しても春になったら移動運用はしてみたいので、IC-705もポチってしまう。という本末転倒な状況です。mchfはとりあえず第3送信機ってことで。

mcHF QRP transceiver 製作ログ (3)

ハード面は、RF基板へ乗せるトランスやコイルを巻く作業がありますが、mcHFは回路にいろんなバージョンがあるようで、その違いが咀嚼できていないので、それはちょっと後回し。

トランシーバーの制御ソフト関係を入れることにしてみます。

(3) ソフトウェアの設定

(3-1) ソフトコンパイル環境の整備

最新のファームウェアを試したりするには、ソフトをコンパイルする環境があった方がよい、ということと、個人的にはGUIの統合環境でソフトを開発するのは苦手なところもありますので、linuxのコマンドライン環境でmcHFのソフトの開発をやろうと思いました。

mchf の開発陣は、Ubuntu linuxを開発環境として推奨してるっぽいので、PCのVirtualBox仮想環境に最新のUbuntu 16.04をセットアップしました。

mchfのgithub での説明では、コンパイラーは、Ubuntuのrepository から入れてね、と言っていたので最初はそうしたのですが、mcHFのプログラムをコンパイルしようとすると、Makefileを書き換えたり、コンパイルの途中で

nano.specs: No such file or directory

というような、開発環境の不足に関係したエラーが起きたりして困りましたので、コンパイラは、GNU ARM Eclipse のインストレーションのページの手順に書かれている、

download the latest Linux install tarball file from ARMDeveloper

の言う通りにコンパイラのtar ballをダウンロードして設定、mcHFのgithub からダウンロードしたソースをmake all したところ、問題なくmcHFファームのコンパイルができ、mchf.binが生成されました。

たぶん、Japanese version(バンドプランの修正)を作ったりする際など、ソースをいじくる必要がありそうなので、これは必要なステップかなと思います。

(3-2) ブートローダーの書き込み

firmwareを書き込むためにはブートローダーを書き込んでおく必要があります。

これは、mcHFのドキュメント(Bootloader-Install.pdf)に書かれているとおりにやったらできました。が、一応手順を記載しておきます。

ST micro のDfuSe tool をダウンロード、インストールしておく。(サイト登録が必要かも)

USB mini cable でPCに接続する。

UI ボードにP6 という2ピンのジャンパーがありますので、そこをジャンパピンなどを付けるなどしてショートしておいた上で、RFボードと組み立てる(電源供給にはRFボードを繋ぐ必要が当然ある)。

Band+ ボタンを押しながら、powerを押すと、電源が入る。

当然、電源はDCジャックから12vを供給しますが、いい12V電源が見当たらなかったので、昔100Wリグに給電するために使っていた電源からDCジャックに14Vを供給しました。レギュレーターが結構熱くなるので、3mm 厚のアルミ板をクリップでレギュレーターに留めて、放熱をしました。

Powerは押したままで、Band+を離す。(Powerは終わりまでずっと押したままにする必要があるので注意)

DfuSeツールを立ち上げ、Choose file ダイアログで、bootloader (面倒だったので、こちらの、firmware.bootloader-binaries.zipを解凍したものを使いました。)を選び、Upgradeを押すと割と一瞬で書き込み終わります。

終わったら、P6のジャンパーを外して組み立てなおしました。

(3-3) firmwareの設定

こちらは、現在のbootloaderでは、USBドライブにmchf.binをコピーしておき、それをmcHFのUSBホスト端子に刺して、書き込む方式になっているようですので、そのやり方でやりました。

その手順は、こちらに昔のやり方も含め書いてありますが、こちら

のFirmware Update Procedures Using a USB Driveに書かれている方法をやりました(簡単!)。

USBドライブに書き込みたいmchf.bin を書いて、本体に刺す。

Band- を押しながらPowerを押して立ち上げる。と、勝手にUSBドライブに書かれたmchf.binを認識して、今のfirmware をUSBドライブにバックアップを取ったうえで、mchf.binを書き込んでくれます。あとは、Band-を押して再起動するだけ。

USBケーブルはfirmwareの書き込みには必要ありません。

そんなこんなで、一応mcHFが立ち上がるようになりました。

画面はこんな感じで、超cool. UKのファームなので、5.251MHz という日本で使えないバンドが入っているので変更しないといけません。

これで久しぶりに開局してみようかと思っているところです。

(4) コイル、トランスの取り付け

ソフトが動くとどうしてもワッチをしたくなります。

7MHzバンド用のLPFのコイルとSWR計のトランスを取り付け、受信できるようにしてみました。

コイル巻くの結構大変です。21ターンのコイルとか、何周巻いたか忘れてしまう・・・それから、エナメル線(というかウレタン線?)の被覆を剥くのがとっても難しくって、きれいにできません。これはやり直しかな。・・・

とりあえず、動作確認。同軸の芯線に手を触れたらノイズレベルが上がることを確かめた。

ちょうどCQ WPXコンテストやっていたので、7MHz でCQ出しているJA7の局を確認できました。TNX

 

 

 

 

 

 

 

mcHF QRP transceiver 製作ログ (2)

無線機製作記録のpart 2です。無線をやらない人(やる人も?)にはさっぱり・・・な記述だと思いますが、自分の備忘録を兼ねているのでお許しを。

先に取れちゃった部品は、結局手持ちの表面実装100uF 16Vを取り付け、並列にリード線つきの100uF 16Vを取り付けることにして、作業をしました。

すでに基板が小汚くなってきた。。。動くころには、基板にパッチがあたりまくりかも。

この作業をすると、なんだかRFボードもあっさりできそうな気がしたので、

(2) RFボードの製作

をやっちゃいました。

それで夜中に作業を開始したのですが、当然寝るのが遅くなり、一方娘の通塾のサポートのため早起きをしないといけないので、おかげでなんだか今(日曜の昼)とっても眠いです。

何となく、仕事から逃げているだけかもっていう気がしつつ、娘の日特で外に出てきて、ファミレスで仕事でもしようかと思ったんですが、どうにも疲れ気味で、こういう(blog に書くとか)現実逃避系のことが進む進む。。。

RFボードの方も、コネクター、リレーその他の部品取り付けです。ちょっと変わった部品としては、ネオン管?のような部品がありました。これは過大入力から受信機を守るための部品かな?こちらは、RFボードなので、コイルなどがあるのですが、コイルは、トロイダルコアなどに線を自分でまかなければならないので、そこまではまだやっていません。一度、作るのをpending にしちゃうと次いつできるかわからないところもあり、できるだけやっちゃおうという感じなのですが、仕事にいい加減戻らないとなあ・・・

というわけで、コイルはまたあと回しにして、一度購入した中華のケースに収納してみると、収まりませんでした。RFボードには終段2個のFETと、DCレギュレーターIC 2個 TO220の半導体が取り付けられるのですが、ケース側にTO220の放熱をすると思しき穴があけてあるのですが、これがどうやっても位置合わせができないような感じで、これって、やっぱり中華?と思いました。ケースになんとか収まるように、TO220の足の長さを最短になるようにやり直して基板を納めることには成功したのだけど、穴にねじを取り付けることはどうやってもできそうにない。これはフライスでここは削ってくれってことなのかなあ。。放熱も5Wを放熱するとかなり発熱するような気もするので、5mm厚のアルミ板などで受け止めるように変更したいなあなどと思うので、こういう組み付けてわかる問題を1つ1つ解決するのも、製作の醍醐味でしょう。

(3)に続く・・・

 

 

mcHF QRP transceiver 製作ログ (1)

ずーっと昔のことになりますが、無線をやっていました。今は、無線局免許も切らしてしまっていますが。

米国に1年間居たときに、テクニシャン級とエクストラ級の資格を、住んでいたところの近所のアマチュア無線クラブに行って取り、FCCのコールサインも取ってあったのですが、10年以上経っているので失効しているし、ずっと無線からは離れています。

それで、ふと、思い立って、Webで無線の記事を見ると、今や無線機もデジタルの時代の様子。自分であれこれ作るのが好きな私は、無線をやっていた時も、交信するより、機材を作ったりする方が好きでしたが、その性質は相変わらずのようで、気が付けば、無線機のキットをWebで検索しまくっていました(微妙に現実逃避?)。

そこで見つけたのが、短波帯のデジタル無線機のキット mcHF QRP transceiver kitです。出力5Wとはいえ、SSB変調などが基本デジタルで処理されているのはすごい、とか浦島太郎状態です。変復調の処理はなんと秋月とかでも安く売っているSTM32F407とかのマイコンでやっていて、まじか!と驚きました。

気が付けばキットの購入ボタンをポチリしていました。残念ながら表面実装部品を含めすべてを手付けするキットは売り切れていましたが。。。

このキットは、基板とそこに乗せる部品のみのキット、しかも部品は、送信の終段のFETやスピーカーが入っていないというなかなか自由度の高い設定。昔(20世紀)だと終段は2SC1971とかだったような気がするんですが、時代は流れ、このキットの回路図を見ると知らない三菱のFET(RD16HHF1)が使われている・・・(FETといえば、日立2SK409(飛びやすい)だったけどなあ)。しかし今はWebの時代、検索するとすぐに販売店が見つかりましたので、速攻ネット通販で終段FETもいくつか購入。スピーカーは、その辺に転がっているのを使います(たぶんあると思う)。

基板を収めるケースは3Dプリンタで作れると書いてあって実際デザインファイルもダウンロードできるのですが、ここは中国のサードパーティ製のケースがebayで売られていたので調達しました。見ると、なんとこのキットを勝手に製品にしている中国の業者があり、驚きましたが、私ははんだ付けとかして遊ぶのが目的なので、製品を買ってもしょうがないので、ケースを購入。

結構あっさりしたパッキングでそれぞれの部品がほぼ同じタイミングで届きました!

少し時間があったので、製作を開始しました。

(1) まず、UI基板(マイコンとコントロール用のスイッチとか表示用のLCDが搭載されている基板)を作成しました。とはいっても、基板上に表面実装部品はすべて搭載されているので、はんだ付けするのは、LED、コネクター類、スイッチ類だけで、あっという間に終了。

と思ったけど、ちょっとしたことで基板上の電解コンデンサ(C32b: 220uF 16V)に手が触れたらぽろっと取れた。。。うわー。やばっ。

220uFのコンデンサの手持ちがないので、手持ちの100uFを1こつけてごまかすか、無理やり100uFを2個パラレルにつなぐか、はたまた表面実装の220uFの部品を調達するか、はたまた取れちゃった部品を無理やり修繕して何もなかったかのようにつけてごまかすか、今悩み中。

こちらは表面のエンコーダーやらLCDやらスイッチがついている面。

こちらは裏面のCPUやらコネクターやら、が実装されている面。左側に電解コンデンサーが取れちゃった様子が見えています。

どうも、この基板、USBデバイスとしてPCに接続すると認識されるとのことで、実はマイクとかも要らないのかな?中国の業者から1個マイク買ってしまったけど・・・ うーん楽しみ。

次はRF基板(送受信のアンプとか、切り替えスイッチとかが搭載されている基板)の製作ですが、トランスとかコイルとか巻かないといけないようでちょっと面倒に思って後の楽しみにとっておこうと、これを書いています(怖気づいただけとも言う)。

目標としては、これを使って再開局をして山の上に持って行って無線をしてみたいな、電池はモバイルバッテリーを昇圧して供給とか無茶な設定で。。。とか妄想しているところです(微妙に現実逃避・・・)。