太陽熱温水器の作成(8)

温度等の記録装置兼コントローラーを作る
日射量と各部温度の変化からどの程度の効率で集熱できるのか計測するためと、集熱できるときに循環ポンプを回す制御を行うために、コントローラーを作ります。
基本的には、マイコンで、照度・温度等を測りつつSDメモリに保存、集熱板の温度と水温を比較して、集熱板の温度が高くなったときには、ポンプの電源を入れる制御をするのですが、マイコン部分は、前にやっていたプログラミングをずいぶん時間が経って忘れてしまいましたので、楽にプロトタイプが作れるかもしれないarduinoを使ってみようと思いました。
今日ボードを買ってきましたが、家づくりでビンボーなので、できるだけ安いものをと
キットを購入(2200円)。
SDメモリへ保存するためにマイクロSDシールドなんてのも購入(コネクターとICがついているだけなのに1500円近く。高けーよ!)。
何を買うのか調べるためにいろいろなArduino関連の物を眺めていたのですが、ふと思ったのは、ブレッドボードとか、ピンヘッダーにピンを差し込んで配線とか、簡単に動きそうな気がするのですが、これ使ってみんな最終的に何かするものを作っているのだろうか?という疑問。
他には、センサーのためのphotoダイオード、サーミスター、制御のためのリレーとトランジスタ、ダイオード、あれこれ取り付けるためのIC基板、センサーや配線を取り付けるための端子板、リアルタイムクロック等を秋月電子で購入しました。
容器はたぶん弁当箱を使うと思います。蓋に基板等を全部マウントして、本体をかぶせておしまいという感じ。アルミの弁当箱を使うのも面白いかもしれない。
今日はたぶん、Arduinoを組み立てておしまいかな。。。

太陽熱温水器の作成(7)

保温された蓄熱漕の製作
これまで循環された水はポリバケツの水を温めて終わりだったので、ポリバケツの水がどんどん冷えるためどれだけの熱を集熱板から回収できたか判断することが難しいです。
これでは、温度を測っても何を測っているのかよくわからず、あまり面白くないので、蓄熱漕とその前の配管を断熱することにしました。
蓄熱漕は、ホームセンターに売っていたRVコンテナ(もどき)1400円に3cm厚のスタイロフォームを内側にはめ込んで断熱漕を作ります。これで25リットル程度のタンクになります(小さいですね)。
IMGP1668.jpg
水を中に入れるので、0.06mm厚の120lポリ袋(ポリエステル)を2枚重ねで中にいれ、ポリ袋の中に水を入れてタンクとします(水の重みで自然にタンクの形になるはず)。
蓋にはホース2本と温度計を差し込む穴をあけ、蓋にもちゃんとスタイロフォームを挟んで、スタイロフォームと水槽の間にはポリ袋を挟んでRVコンテナの蓋をしました。
ホースは、できるだけ温室箱の中を引き回し、外に出るところには、断熱材を巻いています。
IMGP1674.jpg
一応水の循環ができることを確認しました。
夜になってしまったのでテストはまた今度。
1/5の朝も寒く、例によって配管は凍っていました。
配管が凍って詰まっていましたが、日が当たったときに、ホースを壊したくないので、しょうがないのでポンプを動かして出かけました。
帰ってきたのは夜20時でしたが、循環は継続しており、温室箱の中は14℃程度、このとき蓄熱漕は20℃程度ありました。お湯が温室箱の中に循環することによって今度はラジエーターのような働きをして冷やされているということになります。
循環を停止してしばらく待って、21時過ぎに温度を見ると、温室箱の中は2℃(凍りかけ!)になっていました(露出したところの配管も凍ってそう)が、蓄熱漕の中はまだ20℃程度を保っており、保温性能はしっかりしてそうです。
1/6の朝もやはり凍っていました。この日は、あまり日差しはありませんでしたが、16時頃には帰ってきたので、蓄熱漕の温度を見たところ35℃をさしていました。温室箱はすでに日陰に入っていましたが集熱板の温度は26℃程度で、蓄熱漕と集熱板には循環させた場合10℃程度の温度勾配ができるようです。

太陽熱温水器の作成(6)

今日も晴れました。朝は曇っていましたが、朝蓄熱漕を見たら、氷が分厚く張っていて、温水器の中に残った水もバリバリに凍っていました。。。。
温度についてもう少し調べたいので、アルコール式の温度計(300円)を2本買ってきて、1本は、集熱板のすぐ横に、もう一本は、蓄熱漕の水につけてみました。
今日も晴れて、どんどん温度が上がります。
集熱板は75℃程度になっていることがわかりました。ホースは実は60℃耐熱(たぶん)なので、こりゃダメだ。。。という感じで、あわてて循環を開始します。集熱板のところは熱いお湯になっていたようで、氷があっという間に融けました。蓄熱漕の水は最初は2℃でしたが、すぐに20℃ぐらいになりました。
循環を続けると定常状態で、集熱板が70℃~75℃、蓄熱漕が35℃程度で安定しました。
やはり、集熱板から蓄熱漕までの間の熱抵抗や、蓄熱漕その他での熱損失があり、難しいようです。
こんご、集熱板の温度が上昇したときに循環を行うこと(必須)と、集熱板とホースの間の熱抵抗を下げること、ホースや蓄熱漕の保温を改善することでもう少し高い温度が維持できるようにいじっていこうと思います。
サーモサイフォン式(いわゆるよく見る太陽熱温水器と同じで、自然循環式)を試してみようと思っていましたが、今のホースを続ける限りはホースを熱から保護するためにやはり強制循環は必要そうです。
それから、太陽熱温水器の木枠が昨日までは、地面と直接接していて湿気やらなんやらで耐久性に問題が出そうだったので、1個90円のブロックを4つ買ってきて、温水器と地面の間の縁切りをしてみました。

太陽熱温水器の作成(5)

1/2は幸いにして曇りがちですが、日差しも時々出たので、作成した太陽熱温水器のテストをしました。
蓄熱層は車の洗車用のポリバケツ、循環システムは、お風呂ポンプです。
IMGP1609.jpg
温室箱がどれくらいの温度になるかを計測するために温度ロガーを温室箱の中に1つ、温室箱の裏の日陰に1つ設置しました。
IMGP1610.jpg
まず循環をさせないで、日が当たった後にポンプを動かして、お湯になるか見てみました。朝9時すぎの日差しはあまり強くありませんので、集熱器の分だけほの暖かいお湯が出てきておしまい、という感じでした。この時外気温は10℃、温室箱内は30℃程度でした。
しばらくすると、日差しが十分あたるようになりました。そうすると、状況は一変、温室箱の中は50℃を超えました。お湯も、循環をしていないと、触れない程度のお湯になります。こういう状況だと、循環をさせていないと、ホースの耐熱が心配なぐらいで、循環をしばらく継続させてみました。ポリバケツは断熱等は全くしていませんが十分に温かいお湯になりました。ポリバケツ蓄熱層と集熱器の間のホースは断熱をしていないので、触ると暖かく、ここから熱がどんどん逃げていそうです。
しかし、日差しがなくなると、循環をさせていると今度は集熱器がラジエーターとして働くので冷めてくると思われます。日差しがなくなってしばらくすると、温室箱のなかは35℃程度に冷め、ポリバケツの中の水、集熱器とポリバケツの間の配管の水はあっという間に冷えてしまいました。
温度変化20120102.png
と思っていたら、どうやら寒冷前線の通過?のようで、冷たい雨が降り始めました。。。
温室箱は雨が入り込まないようにしておかないといけませんね。
この実験から、
1)集熱器が熱くなった時だけポンプを回す制御が重要(もらった熱を返さないため)
2)蓄熱漕や集熱器までの配管のロスを減らすことが必要(もらった熱を失わないよう)
3)集熱器は太陽光が当たるとかなり熱くなるのでその時は水の循環が必須(熱くなりすぎて壊さないことと)
4)温室箱は雨のことを考えて作ること。
ということで、実用品を作るには、かなりいろいろな点の工夫が必要そうです。
熱効率を計算するには入射日射量と水の温度も計測する必要があるのですが、そちらはおいおい進めていきます。
まずは、雨が降っても大丈夫なように木に防腐塗装をすることと、蓄熱漕を温室箱の上方に置けるようにして、サーモサイフォンが働くようにして、ポンプ循環しなくても集熱器のホースを熱で痛めないようにしておくことが最初ですね。

太陽熱温水器の作成(4)

集熱板の作成
これはあまりいい方式ではないのですが、最初の方式ということで書いておきます。
材料:
ガルバリウム鋼板波板 1.8m*0.9m 1枚 800円程度
散水ホース 10m 900円程度
アルミテープ 300円程度?
シリコンコーキング+コーキングガン 合わせて600円程度
波板の表面を艶消し黒に塗装するために必要なもの 合わせて2000円程度?
波板用釘 たくさん買っても250円程度
作り方:
波板の裏側に蛇状に散水ホースを這わせて、アルミテープで仮止めします。
ちょうど波板の筋とホースの太さがいい感じで楽にできます。
仮止めをしたら、ホースと波板の間の熱伝導率をすこしでも改善する意味で、ホースと波板の間にコーキングを入れて、ホースを押さえてくっつけます。また、ホースの横の隙間にもコーキングを入れます。
IMGP1605.jpg
コーキングが固まってきたら裏返して、波板の表面を艶消し黒に塗装し、用意しておる温室箱に収めて、根太に波板釘で固定しました。
反省:
ホースはまず、耐熱ではないので、水を通してないとやばいかも。
それにホースと波板、それぞれ熱伝導率があまりよくなさそうなので、効率が低そう。メーカー品だと、このあたりは銅管とかアルミ板とか使ってそうだから全然違ってそう。まあ、それは試してから見てみよう、ということで。