太陽熱温水器を修理する(1)

新型コロナで外出を自粛してます。家でうだうだしているのも性に合いませんので、仕事にかまけて放置していた家の課題に少しずつとりくんでいこうと思いました。その第一段、しばらく前に故障してそのまま放置していた太陽熱温水器をまた動かせるようにしようということで、

まず、どのような故障が起こったか、ですが、2013年夏に自作し、稼働開始、2014年夏に、中華バルブがイカレたのを交換して直したわけですが、そのあと、まず2017年5月にPC上のlinux で動かしていたデータ収録可視化が動かなくなったと思います。そのあと、1年ぐらいは動いていたと思うんですが(だいぶ前で忘れた)、ある時、温水器のコントローラーのArduinoが動いていないのに気が付いて、チェックしてみるとコントローラーのレギュレーターが壊れてArduinoが死んでました。そのあと、とりあえずコントローラーをシステムから切り離してそのまま、という電気周りはそんな感じでした。

また、ある時、温水タンクの配管から水漏れがあるのに気が付いて、忙しかったのでとりあえず温水タンクへの水道配管の弁を閉じて漏れたままにはならないように処置。

コントローラーが働かないと温水器の集熱器が水で冷やされないのでかなりの高温(100℃以上)になります。ということで、集熱の配管系の水圧が高くなったタイミングで配管の接手からリークが起こって、集熱配管系の不凍液が漏れて、それも忙しくてそのまま。

ということで、この2年ほどは、太陽熱温水器は稼働せず、故障を放置したまま今に至る、という感じでした。

それを稼働させるには、まず、ハードウェア周りの課題をなくします。

1)コントローラーを作り直す

前のArduinoベースのコントローラーをそのまま動かすのでもいいのですが、当時と今と世の中が違います。ということで、IoT時代に合わせて(というか、周回遅れでしょうけど)、Wifiでネットにつながり、Webから制御でき、クラウドに温水器のデータを上げるコントローラーにしようと思いました。

ということで、コントローラーにeps32を採用、でamazonをポチポチ。相変わらずネットのリソースを最大限活用(というかコピペ)でプログラムを書いて、温水器の各部温度、バッテリー温度、その他BME280で取れる情報などを取り込み、手持ちのMOSFETでポンプなどをスイッチングできるものを作りました。

各部温度はサーミスターで見ていて、そのためのAD変換はesp32のADで十分かと思ったのですが、バッテリー電圧の監視をするにはesp32のADはリニアリティが悪く、ちょっと精度に問題あり、ということで、I2CバスにつなげられるADS1115のモジュールを一部のADチャンネルに使いました。数年前と比べて、こういうI2Cバスにつながる機能モジュールがたくさんあるので便利ですね。

また、コントローラー系がかなり単純になり、必要な電力も小さくなりました。今まではWebにつないでデータ可視化・解析をするのにPCを必要としていたり、いろいろなシステムが複合して動く必要がありましたが、それが今は1チップ。すごいな。

2) コントローラーがおおむねできたら、配線をしてテストをします。温度を読むサーミスターがそれぞれどれか対応を確認し、プログラムを修正しながら、まずサーミスターがどれも生きていることを確認しました。

その次に、ポンプ(12Vポンプを2個パラで動かしている)に配線をして動かすために、温水循環系を復活させます。温水タンクのカバーを外して、ポンプの配管に外部から水を入れたり強制循環させたりするための治具を倉庫の奥から引っ張り出してきてつなぎます。水を入れつつ循環させたところ、数年もの間循環をさせずに放置していたためか、非常に汚い不凍液のなれの果てが出てきました。この際、清水で一度配管を清掃することにして、何度か循環をしつつ清水が循環するようになるまで清水と入れ替えをしていきました。また、この時、不凍液が漏れた場所の確認をするため、太陽熱の集熱板のカバーを外して漏れたところを点検。ちょうど接手で漏れていたので、締めなおしたところ漏れがなくなりましたので、とりあえずこれで修理できたことにします。

この状態で、コントローラーをポンプにつないでポンプを動かしたところ、ポンプが少し動いたら止まり、を繰り返していました。ポンプ故障か?と思い、倉庫の奥にこれまたAliexpressで買って放置しておいた24Vポンプに取り換えたところ、新しいのは問題なく動きました。が、またしばらく動くと止まる、ことがわかって調べたところ、コントローラーで24V電池から12Vを作っていたDCDCの容量不足のためらしい・・(ちょっと煙も出ていたような・・・)、DCDCは秋月の大きめのヒートシンクがついているものを前使っていたので、そちらに交換してとりあえずOKとしました。

そしたら、今度は、スイッチングしているMOSFETがちょっと熱め・・のため、やっぱりリレーを使うように変更しようかな、と思いつつ、とりあえず動くので、動作試験はこれでやることに。

ひょっとしたら交換して外したポンプは全くOKの可能性があるので、大事にとっておきます。

3) この後、温水タンクからの水漏れ場所をチェック。接手からの漏れだったので、締めなおしで直るかなと思ったら直らない。接手を外して確認したら、ガスケットが入ってない!

ホームセンター行きたくない一心で倉庫からガスケットを探し出し、直しましたが、温水部分なので断熱材をはがしてまた取り付け、テープ巻き、で結構疲れた。作業としてはこれが一番大変だったような。それになんでガスケット入ってなかったんだろう。と、よく見たら千切れたガスケットが地面に落ちてた。どうもガスケットの千切れで漏れてたようで、接手を外した時に落ちたのね。

4) とりあえず、動作をさせるのに問題があるところは直ったのでこれでお湯を沸かしてみます。今日は天気が良かったので、昼の時間の間に300リットルの水の温度を20℃程度上昇させることができました。ポンプの流量を増すともう少し集熱できたと思いますが、このあたりは、スイッチングの仕組みを変更してチューニングすることにします。

また、並行してクラウドにデータをアップロードする仕組みを検討して実装しました。というか、google spread sheet にデータをアップロードする仕組みをそのままwebから頂き、1分ごとに各部の温度やバッテリー電圧をupload するようにしました。google spread sheetはよくできていて、データをアップロードしたら、リアルタイムでグラフが更新される。すごい。

こんな感じで、自作のシステムは壊れたのを修理するのが前提で運用をするため、状態監視が重要なのですが、簡単に様子がわかるようになりました。図でFloor heaterはサーミスターが壊れてるっぽい?沸かしたお湯を湯船に張った後のデータなので、Tank の底は水道水の温度+αになり、Topはお湯になって、温度の成層がタンクの中で起こっていることがわかります。

あとは、コントローラーのプログラムをアップデートしたりとソフト周りを直すのと、MOSFETのスイッチをリレーを使うように変更したりぐらいかな。今日は、久々に太陽の熱で沸かした風呂でリラックスすることにします。

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